いしよし短編小説スレ★エロ無し★
- 1 名前: ( ^▽^)<エロ無し! 投稿日: 2001/12/17(月) 22:36
- いしよし関係の短編小説スレです。
エロは無し。それ以外の制限は特にありません。関連スレは >>2 を参照。( ^▽^)/ローカルルール\(0^〜^0 )1.話の混入を防ぐため、作者さんは更新が終わったら
なんらかのサインをする。
2.読んでる人は、更新中は書き込まない。
更新が終わってから、怒涛のように感想レスを付けよう。
3.マナーを守って楽しく萌えよう。
- 2 名前: ( ^▽^)<エロ無し! 投稿日: 2001/12/17(月) 22:37
- 関連スレです。↓エロ有りの短編小説はこちら↓
いしよし短編小説スレ
http://green.jbbs.net/music/bbs/read.cgi?BBS=866&KEY=1002473018小説感想スレッド(板不問・ネタバレあり)
http://www.metroports.com/test/read.cgi?bbs=morning&key=1002535490いしよし小説総合スレッド
http://green.jbbs.net/music/bbs/read.cgi?BBS=866&KEY=998945758
- 3 名前: ( ^▽^)<エロ無し! 投稿日: 2001/12/17(月) 22:39
- うっわめちゃずれた! かちゅでずれてるのは許してください
- 4 名前: じゃない 投稿日: 2001/12/17(月) 22:56
- エロ無しか。。このスレには用は無いな。。。(ヒデー嘘ですよ。エロ大臣じゃあるまいし。
というわけで、張り切ってどうぞ。エロ無しも好き好き。
- 5 名前: 名無し明日香 投稿日: 2001/12/17(月) 23:10
- >じゃない
>エロ無しも好き好き。ココロガコモッテナイキガスル(w
- 6 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/18(火) 18:00
- 一つ初心者的な質問を…。
どっからがエロと認識され?!
- 7 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/18(火) 19:59
- >>6
作者の判断じゃないのかな?
キスくらいだとエロにならないと思うけど、それがあまりにも濃厚になっちゃうと
エロになりそうだし(w
- 8 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/18(火) 21:43
- >7
舌絡めちゃったりすると、もうダメなんでしょうか。
やぱ、キスだけの関係の方がおらは萌えます。
それ以上書いちゃうとなんだかねぇ。って書いてるけど(w
- 9 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/18(火) 23:09
- 私はエロより朝チュンの方が萌えるなあ。
百合のエロっていまいち華がないというか、盛り上がりに欠けるというか(w
- 10 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/22(土) 00:07
- 今夜より、三夜連続で1つの作品を投稿します。
この時期なので、クリスマス・ストーリーを。大した作品ではないと思いますので、気軽に読んでいただければ。
- 11 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/22(土) 00:09
最近忙し過ぎたということで体調を整えるべく、今日は早めにレッスンが終わった。
そんなわけで何処かに寄り道でもしてから家に帰ろうと、私は急いで着替えている。「りぃ〜かちゃん!」
呼ばれて振り返ると、着替えを既に終えたよっすぃーがバックを肩にかけた格好で
ニコニコしながら立っていた。
「なあに?よっすぃー。」
「ねぇねぇ、せっかく早く終わったんだから何処かに寄っていかない?」
仕事が早く終わったのがよほど嬉しいのか、弾むような声で私に話し掛けてくる。
「うん、良いよ。ちょうど私もそう思ってたところなの。」
意気投合した私たちは、他のメンバーに挨拶をして真っ先にレッスンスタジオを後にした。
- 12 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/22(土) 00:10
特に何の目的もなかった私たちは、街中でウインドショッピングを楽しんだ。
こんな時間は本当に久しぶり。「このコート良いなあ〜。素敵じゃない?」
「梨華ちゃん、またピンクじゃん! 他の色もちゃんと見なよ〜。」
「うっ、だって・・・、たまたま気に入ったのがいつもピンクなだけだよ・・・。」
「そんなの絶対に“たまたま”じゃないよ。」
「・・・そんなこと、ないもん!」
最近のよっすぃーはツッコミに凝っているらしく、私の言うことにイチイチ反応してくる。
別にイヤなんじゃないけど。
逆に、なんか楽しいかもしれない。やがて、お店達も次々と閉まって開いている所もまばらになってきた。
そんな中、キラキラと夜に浮かぶようなお店が目に入った。
「よっすぃー、あそこに行ってみよう!」
私は右手でよっすぃーの左手を掴むと、急かすようにその手を引っ張ってそちらに向かった。
「梨華ちゃん、そんなに急がなくても〜。」
- 13 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/22(土) 00:11
そのお店は宝石店だった。
クリスマス直前のせいか、こんな遅い時間のわりには店内にお客さんは何組かいた。
しかも、みんなカップルばっかり!よっすぃーはそれほどアクセサリー類には興味ない様子で店内をキョロキョロしていた。
私も同様、アクセサリーには詳しくも無く、ただなんとなく展示品を眺めていた。
すると、お店の一角に目立つように貼ってあるポスターが目に入った。『クリスマス 恋人達への贈り物』私がそのポスターをジッと見ているとよっすぃーが気取ったポーズをとりながら近づいて来た。
「シュタッ! 姫、何かございましたか?」
「あのね、イヴの日にカップルで来店した人達だけが買える指輪なんだって。凄ーい!」
「ふーん。」
あまり興味なさそうなよっすぃーに、私は訴えるように話しつづけた。
「いいなぁ〜。ロマンチックだと思わない?」
「不況で、店も生き残りに必死だね。」
「なんで、そんな夢の無いこと言うの〜?」
私は気分を壊されて、よっすぃーに抗議した。
「あ、ゴメンゴメン。でも、本当に“らしい”こと言うよね、梨華ちゃんて。」
私はよっすぃーの茶化したセリフを無視した。
「こんな特別の日にしか手に入らない指輪を夜景の見えるレストランか何処かで
突然プレゼントされたりしたら・・・」
「カップルで来店しないと買えないんでしょ? 突然なんて無理じゃん。」
・・・人の揚げ足とるなんて。確かにそうだけど。
- 14 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/22(土) 00:12
「もういい! 帰る!」
私はよっすぃーを店内に置いて歩道に出た。
「あ、待って! 梨華ちゃん!」
私は怒ったフリをして早足で駅の方に向かった。
「どうしたの? りぃーかちゃん!」
よっすぃーはすぐに追いついて来て、私の正面に廻り込むと器用にも後ろ向きで歩く。
「もう、知らない!」
「ゴメンよお〜。だって梨華ちゃんをからかうのが最近のマイブームなんだもん。」
「そんなの勝手にブームにしないでよ!」
一向に反省の色を見せないよっすぃーに私は本当に腹が立ってきそう。
「そんなことよりさ、梨華ちゃんはイヴの日は何してるの?」
私の気分など無視して、よっすぃーは早くも別の話題に。
「何って、お互い仕事に決まってるじゃない。」
「仕事の後だよ〜。何か予定入ってるの?」
「何も無いよ、一人暮らしだから独りぼっち・・・。」
あらためて言ってみると、何だか凄く寂しく思えてきた。
「じゃあさ、仕事終わったら梨華ちゃんのマンションに遊びに行っても良い?」
よっすぃーの突然の申し出にさっきまでのご機嫌斜めな気持ちは何処へやら。
断る理由なんてないよね。
「うん!良いよ!」
「ヤッター! へへへ、イヴが楽しみになったねぇ〜。」
よっすぃーは本当に嬉しそうな様子だった。
「でも・・・、そんな特別な日なのに私なんかと二人きりで良いの?」
「もう、全然オッケーッ! 家族と一緒も良いけど、たまには良いじゃない?」ただ、女友達とクリスマスを一緒に過ごす約束をしているだけなのに・・・。
何故? なにかドキドキしてきた。
私、意識し過ぎだよね。
- 15 名前: 名無し作者 投稿日: 2001/12/22(土) 00:14
- 今日はここまで。
明日、24時間後にまた投稿します。
- 16 名前: じゃない 投稿日: 2001/12/22(土) 00:42
- |.∀´) チラッ ハジマッタワネ ワクワク
- 17 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/22(土) 05:03
- 季節モノキターイ!!
- 18 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/22(土) 13:26
- また直リン君か…
しかも関係ないスレで
- 19 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/22(土) 13:31
- 管理人怒らせても知らないよ
- 20 名前: じゃない 投稿日: 2001/12/22(土) 13:32
- 怒りました。気にせず、小説を続けてください。
- 21 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/23(日) 00:10
その日は楽屋で矢口さんが昨日ビデオで見たという映画の話しで盛り上っていた。
「そしてね、そこで男の人が告白するの! イヤーッ!」
「キャー! それでそれで?」
安倍さんと矢口さんがいつも通りのハイテンションで盛り上がる中、
私とよっすぃーとゴッチンがその話しに加わっていた。ちなみに、その矢口さんが見たというビデオは本当にありふれた内容で、
ただの友達だったはずの二人がクリスマスの日の告白でハッピーエンドというものだった。「私もあんな感じで告白されたーい!」
「私もされたーい!」
矢口さんと安倍さんはふざけたふうに同じポーズで同じ事を言っていた。
いつもこの二人は楽しい。
「私も!私も!」
今日はゴッチンも楽しそう。
「私はそんなふうに告白してみたーい!」
「するのかよっ!」
よっすぃーの発言にいつも通りの矢口さんのツッコミが入る。
「そうさ、クリスマスの日に告白するよ、・・・君にね! 真里!」
「イヤーンよっすぃー、やっぱりぃ? キャハハハハハッ!」
「イヤ! ダーリンは誰にも渡さないわっ!」
悪乗りした飯田さんも急に割り込んできて、よっすぃーを後ろから抱きしめた。
「ダメ!よっすぃーは私のものなのよ〜!」
私も負けずに、よっすぃーに抱きついた。
「キショッ!」
「ああっ、何で私にだけそんなことを言うの〜!」
冗談だと分かっているんだけど、ちょっとショック。
- 22 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/23(日) 00:11
仕事も終わり、帰り支度も済ませて私は一息ついていた。
「梨華ちゃん、どうしたの?今日は疲れた?」
よっすぃーが心配そうに声を掛けてきた。
「うーん、矢口さんじゃないけど、ビデオでも借りてから帰ろうかなって考えてただけ。」
「矢口さんが見たってヤツ?」
「違うよ、あれも良いけど・・・何か映画が見たいなあーって。」
それを聞いたよっすぃーは何か考えている様子。
「じゃあさ、今度映画を見に行こうよ! ビデオなんかじゃなくって。」
「あ、良いね。そうしよう!」
すると、よっすぃーはパックから手帳を取り出してスケジュールを確認し始めた。
「次のオフは・・・全然ないなあ〜。」
「・・・休みはなくても、確か・・・25日は私たち午後からの仕事じゃなかった?」
「OH! YES! デワソノヒニシマショウ!」
「約束ね。」
イヴの約束と・・・クリスマスまで一緒。
まるで恋人同士みたい。
- 23 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/23(日) 00:12
駅までの帰り道、私はよっすぃー、ゴッチンと一緒に歩いていた。
「やっぱりさ〜、女の子はイベントの日とかに告白されると嬉しいのかなあ〜。」
「何言ってんの、ヨシコだって女の子じゃん。」
「いやあ、そうなんだけれども・・・梨華ちゃんはどう?」
「うーん、やっぱり特別な日に告白されると記念になるし、嬉しいかなあ。」
「そう!そうだよねー。忘れられない日〜なんて感じでさあ〜。」
「そんなものなのか。」
よっすぃーはそう言うと、何か考えている様子。
何を考えているんだろう。「よし! じゃあ、告白するぞ!」 ― え!? ―「なんだとーっ!ヨシコ誰かに告るのお〜?」
「それは、ひーみーつ! じゃあ、ここまでだね。今日もオッツーでしたっ!」
よっすぃーは私とゴッチンを残して走り去っていった。
- 24 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/23(日) 00:12
「あれれ、行っちゃったよ。ねぇねぇ、告白ってホントかなあ〜って、梨華ちゃん?」
唖然としてる私の目の前で手をヒラヒラさせてゴッチンが言う。
「もしもーし!梨華ちゃーん!」
「あ、ゴメンゴメン。えっと、何んだっけ?」
「もーう! よっすぃーが告白って、マジなのかなって。」
私は俯きながら答えた。
「そんなのわかんないよ・・・。」
「よーし! 明日はプッチで一緒だから問い詰めてやるっ!」何だろう・・・イヤな気分。
私・・・よっすぃーが告白することが嫌なのかな・・・。
・・・あ、告白するのが本当だったら、イヴの約束・・・ダメなのかな。
結構楽しみにしていたんだけどな・・・。
- 25 名前: 名無し 投稿日: 2001/12/23(日) 00:17
- 今日はここまで。
明日はラスト。>じゃないモー板開設前から2ちゃんねらーの私が、あの程度で気になるわけもなく。(w
見事な削除、ありがとうございました。
- 26 名前: 名無し作者 投稿日: 2001/12/23(日) 00:18
- あ、名前欄間違えた。
でも、べつにコテハンじゃないよ。
- 27 名前: 名無しFLASH 投稿日: 2001/12/23(日) 00:27
- ラストもきたーい
- 28 名前: じゃない 投稿日: 2001/12/23(日) 00:39
- エロ無しワショーイ(^▽^)
- 29 名前: 名無し作者 投稿日: 2001/12/24(月) 00:04
- >31
期待はずれでなければ良いのですが。>じゃない
「エロ無しワショーイ(^▽^)」って、
「エロ」なのか、そうじゃないのかが基準なの?(w
さて、ラストです。
最後だけ少々長めです。
- 30 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:06
クリスマスイヴがやって来た。
今日は仕事の後、よっすぃーと過ごすはずなんだけど・・・。
告白って、本当なのかな。
何か話しづらくて、今日はあまりよっすぃーと話していない。よっすぃーは楽屋の隅の方でゴッチンと何か話している。
「・・・思い切って聞いてみようかな。」
そう思って立ち上がろうと思ったとき、後ろから加護ちゃんが抱きついてきた。
「梨華ちゃーん、どうしたの〜、暗いよー!」
「何でもないよー。元気だよう。」
私は笑顔で答えた。
「ねぇねぇ、飴舐める?」
「え?くれるの? じゃあ貰おうかな。」
「はいあげる。おいすぃーよ!だから元気出してね!」
やっぱり元気付けに来てくれたのかな。
年下のくせに・・・、嬉しいよ。「はい!時間だよっ! みんなスタジオに行くよー!」
リーダーの掛け声でみんなが立ち上がる。
ふと、よっすぃー見ると、ゴッチンに何か頼んでるみたい。
いったい、何の話しをしてるんだろう・・・。
- 31 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:07
テレビの出番も終わり、私たちは事務所に戻ってきていた。
今日は早い時間からのリハーサルもあって、やっと解放されるという感じ。
でも、未だによっすぃーに今夜のことは聞けないでいた。「ヤバイヤバイ、予定が狂った!もう少し早く終わると思ったのにぃ!」
「え、ヤバイの?よっすぃー。」
「うん、かなりヤバイ! 早く着替えて!ゴッチン!」よっすぃー、なんでゴッチンの着替えを急かせてるの?
私と一緒に帰るんじゃないの?「さて、急いで行きますか!」
「よっすぃー、この借りは高くつくからね!」わけわかんない。
いったい、私を置いて二人で何処に行くの?「よっすぃー!約束は?!」
私は楽屋から大急ぎで出て行こうとするよっすぃーに思わず声を掛けた。
「あ、ゴメン梨華ちゃん!今時間ないから! 約束は大丈夫だよっ!」 - ガッチャン! -あ、行っちゃった・・・。
約束・・・大丈夫って言ったけど、今夜のこと?それとも、映画のこと?
- 32 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:08
「なんでこんなことになっちゃったの・・・?」
私は電車に揺られながら自宅に向かっていた。電車を降りると、私はいつもの帰り道を独りでトボトボと歩いた。
「昨日より、10倍くらい寒いよ・・・。」よっすぃーの告白のことは、あまり考えないようにしていた。
考えると、胸が締め付けられるように痛かったから・・・。「私・・・よっすぃーのこと、好きなのかな・・・。」今までは考えてもみなかった。
だって、よっすぃーは仕事仲間であり、たぶん友達・・・。
でも、よっすぃーが私以外の誰かと、私以上に仲良くするなんて・・・「イヤだよ・・・。」
- 33 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:09
最初から、こんな日に私と約束なんかしてくれなければよかったのに。
私の前で「告白する」なんて言わないで欲しかった。なんでなんでなんで・・・。
イヤだイヤだイヤだ・・・。そんなことを考えているうちに、マンションに着いた。
エレベーターで上がって自分の部屋の前まで歩く。
鍵でドアを開けると玄関に明かりが点る。
そして何処からともなく流れる冷たい空気。
自分以外誰も居ない部屋が私を暖かく迎えてくれることはない。ふと、テーブルの上を見てみると、今朝早起きして準備した二人分の食事が。
よっすぃーが来ることを信じて頑張ったのに・・・。
「バカみたい。」私はコートを着たままソファーに座ると、エアコンのスイッチを入れた。
「寒い・・・。」
- 34 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:10
なんだかんだと、からかってくるのは確かだけど、
いつも私を気遣ってくれるよっすぃー。
私が楽屋で一人でいたりすると、必ず話し掛けてくれる。
オフの日も、一緒にお買い物に行ったりした。
私がホームシックにかかってた時も、何度も何度もここに泊まりに来てくれてた。「もう、そんなこともなくなるのかな・・・。」 - ピンポーン! -突然、玄関のチャイムが鳴った。
こんな時間にいったい誰?
・・・よっすぃー? 私は足音をたてないようにゆっくりと玄関へ近づく。
おそるおそる玄関の扉に手を掛け、そっと外の様子を覗いた。「よっすぃー!」
- 35 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:10
ドアを開けると、よっすぃーが寒そうに手を擦って立っていた。
「寒ーい! 梨華ちゃん、早く入れてよー!」
私が驚いていると、よっすぃーは玄関に入ってきて、私の横をすり抜け部屋の方へ。
そして私が部屋に戻るとよっすぃーはエアコンの正面を陣取っていた。
「ふぅー、極楽極楽。外と比べたらここは天国だね。」
「・・・どうして?よっすぃー。」
「何があ〜?」
私は逆に質問を返されて、なんて言って良いかわからなくなった。
「いや、・・・ゴッチンと一緒に帰ったから、
てっきり今日はうちに来ないと思ってたから・・・。」
「だって、今日は梨華ちゃんと約束してたじゃん。」
「そうだけど・・・。」
「迷惑だったの?」
不安そうな表情でよっすぃーが聞く。
「ううん、迷惑なんかじゃないよ! だって食事だって用意しておいたんだから。」
すると、よっすぃーは立ち上がってテーブルの上を覗き込んだ。
「うわあ〜、凄いご馳走じゃない! これ、梨華ちゃんが作ったの?」
「全部じゃないよ、冷凍ものとかもあるし・・・。」
「すぐ食べられるの? もう、お腹ペコペコだよー。」
よっすぃーはコートを脱いで、それをソファーに放り投げながら言った。
「あ、暖めればすぐに食べられるよ。」
「じゃあ、クリスマスディナーといきましょーう!」
- 36 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:12
突然訪れた楽しいはずのひと時。
でも、二人で食事をしながら、私は心に引っかかるものがあって、素直に楽しめない・・・。「このお魚、凄くおいしいね!」
「よっすぃー、お肉苦手だったよね。それでお魚中心にしてみたんだよ。」
「うれすぃーっ!」
そんな会話をしていた。・・・告白って冗談だったのかな。
よっすぃー、いつもと変わらない。
でも、そうは思ってみても、やっぱり気になる。
怖いけど、確かめずにはいられないような・・・。
「あのさ、よっすぃー・・・。」
「うん、何?」
「あのね・・・。」
「?」言葉が続かない。
- 37 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:12
「・・・ゴッチンと、何処かに行ってたの?」
どうしても、核心の部分は聞けない・・・。弱虫。
「うん。行ってたよ。」
「・・・何してたの?」
「内緒。」
「・・・そう。」
うつむいてる私。少しの間。「うーそ! ただ買い物に付き合ってもらっただけ。」
顔をあげると春の日のお日様のような笑顔のよっすぃーがいた。
「買い物してから直ぐに、ここ来たんだよ〜。」
「それじゃあ・・・。」
「うん?」
「あ、なんでもない、なんでもないよ。・・・たくさん食べてね。」なんだ・・・誰かに告白してたんじゃなかったんだ・・・良かった。
- 38 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:13
「ふぅーっ、お腹いっぱいだ〜。」
「フフ、たくさん作ったのに全部なくなっちゃった。」
「もう、食べられません・・・バッタリ。」
「ほら、あっちのソファーに座ってて。お紅茶でも出すから。」小さなヤカンでお湯を沸かす。
愛用のカップと、以前二人でお買い物した時に買ったよっすぃー専用のカップを用意する。
「ふん♪ ふふん♪」
「梨華ちゃん、機嫌直ったあ〜?」
「え?」
「いや、食べてる時、なんか機嫌悪いのかな〜って。」
「そんなことないよ。気のせいだよ。」
紅茶にお砂糖とミルクとスプーンをつけてお盆に乗せる。
「うっそだーっ! 絶対に雰囲気違ったよ。」
私はそれには答えず、紅茶をよっすぃーの前に差し出した。
「はい。温かいうちに召しあがれ。」
「いただきまーす。お、あったかそう〜。」
よっすぃーは紅茶に何も入れず、ゆっくりとそれを口まで運んだ。
「うーん、大人の味。」
「何それぇ〜。」
「苦っ!」
「フフフ。」
他愛のない会話が幸せ。
- 39 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:14
「よっすぃー、“告白”って冗談だったんだね。」
気が楽になっていた私は、さっきまで口に出せなかった言葉を本当に軽い気持ちで・・・。
「え?」
「だって、この前『告白する』って言ってたじゃない。」
すると、よっすぃーは持っていたカップをテーブルに置いて言った。「冗談じゃ、ないよ。」
その言葉は私の表情を固めるには充分なものだった。
「・・・。」本当に・・・告白したの? いつ?「冗談なんかじゃない。本当だよ。」
「・・・私の知ってる人?」
「うん。」
「・・・そう。」
- 40 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:14
すると、よっすぃーは先ほどソファーに放り投げたコートのポケットから何かを取り出した。
「メリークリスマス。」
そして、小さな箱をふたつ、テーブルに置いた。
「こっちの箱は、私から梨華ちゃんへ。こっちは私から私へ。」
「これって・・・。」
「例の『クリスマス 恋人達への贈り物』ってヤツ。」
「・・・あの、この前行った宝石店の?」
「うん。」
「でも、あれはカップルじゃないと・・・あ!」
「そう、ゴッチンに協力してもらったんだ。女の子同士でも売ってくれてよかった。」
「・・・本当に私が貰って良いの?」
「もちろん。」
「・・・ありがとう。」
「突然プレゼントされたいって言ってたから。」
「ビックリしちゃった。」
「んー。もっと感動してくれると思ってたのに。」
嬉しいことは嬉しい。でも、嬉しさより“とまどい”が感情を支配しているみたい。
「やっぱり夜景の綺麗なレストランで渡さないといけなかったかな。」
「そんなことない。」
長い沈黙 ― 。
- 41 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:15
私が何を言っていいか分からずにいると、よっすぃーが先に口を開いた。
「告白。」
「え?」よっすぃーと目が合った。「告白は・・・まだ、していないんだ。」
その大きな瞳から目を逸らすことが出来ない。「告白・・・これからするの?」
胸のあたりがドキドキしている。
その音は、目の前の相手に聞こえてしまうと思えるほど。
「・・・。」
- 42 名前: あなたとわたしのクリスマス 投稿日: 2001/12/24(月) 00:16
見つめ合う時間は永遠と思えるくらいで。でも、それ以上見つめられると・・・。その、愛しい瞳に吸い込まれそう。きっと、私はあなたが・・・。
「誰に・・・告白・・・するの?」
瞬きも忘れてしまうほど見つめ合って。周りの景色も見えなくなって。今、胸の鼓動と、あなたの声しか聞こえません。
「石川梨華。」
あなたと私しかいません。 〜Fin〜
- 43 名前: 名無し作者 投稿日: 2001/12/24(月) 00:18
- ◇◆◇◆◇◆◇◆3日間のお付き合い、ありがとうございました。
クリスマスの時期ということで、イベント的な意味合いで、
3夜連続という形をとりました。今作品は、本当の最後の最後にクライマックスを持っていき、
「そのまま終わる」というところを意識して書いてみました。感想などいただければ嬉しいです。
- 44 名前: じゃない 投稿日: 2001/12/24(月) 00:22
- ブラボー!いやあ、別にエロの有無だけで読んでるわけじゃないですってばあ(^▽^)終わりかた、いいねえ。読んだ人の心の中でお話が続くね。
いやあ、こりゃいいプレゼントをもらったよ。ズワーイ!
- 45 名前: 名無し有馬 投稿日: 2001/12/24(月) 00:38
- 良かったです♪
読んでて引き込まれました!!他にも書いてるんですか?
長編も書いてみては??
- 46 名前: 名無し有馬 投稿日: 2001/12/24(月) 06:12
- 見つめあう2人は、当然いつものことのように顔と顔が近いんだろうなぁ、と
妄想しながら読んだよ(w
作者たん、ごくろうさま&ごちそうさま
- 47 名前: 名無し作者 投稿日: 2001/12/24(月) 08:30
- >じゃない
最高の誉め言葉です。
そして、エロ大臣でない部分もあることが分かりました。(w>49
ありがとうございます。
他の作品は、私は小説書き職人ではないので、ほとんどありませんが、
ttp://natto.2ch.net/morning/kako/976/976541413.html
ここに書いたことがあります。同じくクリスマスネタで。
つーか。いしよしでは無いので、ここでは用無しですね。(w>50
ありがとうございます。
きっといつも以上に顔が近づいて、そのまま(略
- 48 名前: 茶美青 投稿日: 2001/12/24(月) 11:11
- エロ無しでも、充分萌えましたぁ。
最終話は何度もリロードしてリアルで読んでました。
素敵なお話しをサンクス!終わり方がニクイ!
きっと、この後・・・(略
- 49 名前: 名無しサンタ 投稿日: 2001/12/24(月) 15:42
- 自分、エロ大臣だけどエロ無しワショーイでした(w
季節ネタはやぱーり良いね。
きちんと締め切りに更新された作者さんがあっぱれであります。
お疲れさまでした!!
- 50 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:35
- 短編小説です。
- 51 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:35
- 私のおねがい
- 52 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:36
- ふわり、ふわりと、夜の街にネオンが浮かんでいた。
下手くそな誰かが、焦点を合わせそこなって写したフイルムのように、1つ1つの光が星型に
輝いている。
凛と澄んでいる冷たい空気には、何も迷うことはなく、白い吐息は暖かい夜空へと運ばれ
ていった。
12月24日、クリスマスイヴ。
すれ違う見知らぬ誰かも。そして、今ここにいる自分も。
数え切れないくらいの、全ての命が祝福に満たされる日。たとえ不幸だと思っている人がいたとしても。
自分だけにしか与えられない幸福、小さな笑顔は確かにそこにあった。
- 53 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:36
- ☆
- 54 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:36
- 最初に出会ったのは、暗い路地に立ってた長細い電柱の影だったの。
お父さんもお母さんもいなくなって、私は泣いていた。
それまで外に出たことなんかほんの少ししかなくて、いつもお父さんたちが一緒だった
から、本当に何にも知らなかったの。
だから、外の世界があんなに怖いなんて知らなかった。
犬なんて遠くから見たことしかなかったけど、初めて外に出たときに、私の3倍も4倍
も大きな犬に初めて追いかけられて・・・
今までお父さんたちが私を守ってくれてたんだ。って思うと涙が出てきて止まらなかった。
必死で逃げるうちに道にも迷って、どうしようもなくて、隠れることなんかできるはずが
ないのに、私は長細い電柱の影でずっと泣いていたの。そこで私たちは出会ったの。
肩を叩かれたときは、びっくりして死んじゃうかと思った。
さっきの犬だ!って思って。
でも、ゆっくりと目を開けてみると、そこに居たのは犬なんかじゃなかった。
ちょっと汚れてるけど真っ白な毛並みをしてて、目はとても優しかった。
体は私よりもちょっとだけ大きかったけど、私と同じくらいの年に見えた。
そして、その人は震えが止まらない私に寄り添って、こう言ったの。
「大丈夫だよ
あの犬なら諦めて帰っちゃったから
だから、もう泣かないで、ね?」
それがよっすぃーとの最初の出会い。
今になって思うと、あのとき犬に追いかけられて良かったって思う。
だって、よっすぃーに会えたんだもん!
- 55 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:38
- それから、私たちはいつも一緒に行動するようになったの。
よっすぃーは、小さな家の小さな天井裏に住んでいて、私もそこで暮らすようになった。
「あんまり大きな音を立てると、家の人が気付いちゃうから
なるべく静かにしてね」
この平らな木の下には、人間の家族が住んでいた。
私は人間に近づいたこともないし、人間の話だってあまり聞いたこともないから、怖く
てたまらなかったの。
だって、あんなに大きいんだもん。
でも、よっすぃーは「怖いどころか、人間ってとっても優しいんだよ」って言うの。
後で聞いたんだけど、よっすぃーは昔人間と住んでたことがあったんだって。
「私は捨て猫なの」
って言ってた。
わけのわからないうちに、私よりももっともっと小さな頃に捨てられたって。
私が「どうして?」って聞いても、いつも「人間にもいろいろあるんだよ」としか答え
てくれなかった。
私よりも小さな頃だったら、私よりももっともっと怖い体験をしてるはずなのに、何も
できなかったはずなのに、よっすぃーは全然怒ってなかった。
いつも優しくて、私を守ってくれて、とっても温かかった。
「梨華ちゃんのお父さんとお母さんはどうしたの?」
「・・・分からないの・・・」
「人間に連れて行かれたの?」
「・・・黒い人たちが、大きな車にお父さんとお母さんを閉じ込めたの」
「・・・そう、なんだ・・・
・・・うん、でもこれからは私が一緒だから!
ね?寂しくなんかないよね!」
「・・・うん!」
- 56 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:39
- 私はよっすぃーにいろいろ教えてもらった。
あそこのパン屋さんはおいしいとか、何かに追いかけられたらここの抜け穴に入ると
安全なところに出られる、とか。
私もだんだん外に慣れてきて、近くだったら1人で歩いても平気になってたの。
でも、怖いから遠くには行かなかったし、よっすぃーにも止められてた。
「梨華ちゃんは可愛いし、優しいからね
家猫に向いてるよ」
たまに、よっすぃーはそう言って頭をなでてくれた。
とっても気持ち良かったけど、私は家猫にはなりたくなかったの。
だって、まだ人間は怖いし、もしそうなったらよっすぃーに会えなくなるかもしれな
いでしょ?
私はずっとよっすぃーと一緒にいたかったの。
でも、神様は私のお願いを聞いてくれなかった・・・
神様って知ってる?
お空の雲の上に住んでて、みんなのことを見てるんだって。
そして、雨を降らせたりするの。
たまに私たちのお願いを聞いてくれたりもする。
「なんでも屋さんみたいなものだよ」
よっすぃーはそう言っていたけど・・・
『あっ!!!いた!いたよ!』
「えっ?」
『よしこだ!ねえ、お母さん!よしこがいたよ!!』
「・・・うそ・・・」
「ねぇ?よっすぃー?
その人、誰?怖い人間なの?」
『よしこ!よしこ!』
「うそ・・・」
「ねえ、よっすぃーどうしたの?」
「り、梨華ちゃん!行こう!」
- 57 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:39
- 何が起こったのか分からないけど、私はよっすぃーに連れられて走ったの。
隣で、よっすぃーはずっと何か言ってた。
一生懸命走って、秘密の抜け穴を通って、やっと家に着いた時には疲れて倒れ
そうだったの。
でも、よっすぃーはそんなことはどうでもいいみたいで、帰ってからもずっと
何か考えてた。
そして、しばらくしてから私に話してくれたの。
「あのね、梨華ちゃん」
「うん」
「さっきの人、前に私が一緒に住んでた人なんだ・・・」
「へ?」
「あの男の子。ちょっと大きくなってたけどすぐに分かったよ
・・・私を探してくれてたんだ・・・」
「・・・よっすぃー・・・?」
「・・・梨華ちゃん、私、どうしよう・・・」
よっすぃーは、そう言ってから黙りこんだ。
もうずっと会えないと思ってた人に突然会って、気持ちの整理がついてない
みたいだった。
「よっすぃー・・・」
でも、嬉しくないはずがないよね?
捨てられたと思ってたけど、やっぱり違ったんだ、って。
何か理由があったんだよ、ってよっすぃーは言ってた。
本当にそうだったの。
いつも優しいよっすぃー。
優しいから、神様がお願い聞いてくれたのかもしれないね。
- 58 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:40
- 「よっすぃー、お家に帰った方が良いよ!
迎えに来てくれたんでしょ?
私・・・私のことなら・・・大丈夫・・・だから」
「梨華・・・ちゃん?」
「だって、よっすぃーはずっと待ってて・・・
それで・・・待ってた人が来たんだよ・・・?
なんにも、なんにも迷うことなんか・・・ないよ」
私、泣いてた。
よっすぃーにはそれが一番良いんだって分かってても、それでよっすぃーは
嬉しいんだって分かってても。
それでも、よっすぃーと別れることを考えたら、涙が出てきて止まらなかった。
よっすぃーが行っちゃったら、1人でどうしよう。
いっつも頼ってたから、私だけじゃなんにもできないよ。
生きていけない。
だから、本当は行っちゃ嫌!
そう言いたくて、何回も言いそうになって。
でも、そんなこと考えるの、間違ってるよね。
その日の夜に、よっすぃーがいつも以上に幸せそうな顔で眠ってるのを見て、
本当にそう思ったの。
私が弱くて頼りないから、自分を強く見せようとしてくれてたんだよね?
よっすぃー、優しいね。ありがとう。本当に・・・
だから、私は笑顔で見送ってあげなきゃ、って。
- 59 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:40
- 次の日の朝、私はいつもより遅く目を覚ましたの。
なんだか暖かいな。って思ったら、よっすぃーの胸の中だった。
少し寝ぼけて喉をならしたら、よっすぃーが気付いて「おはよう」って。
それから、話してくれたの。
「梨華ちゃん、あのね?」
「うん」
「私、今度また会ったら・・・
帰ってみることにしたよ」
「・・・うん」
「でも、梨華ちゃんを1人にはしないよ・・・
梨華ちゃんも一緒に暮らせるように、頼んでみる」
「・・・え?」
「だって、それが一番良いでしょ?
私は梨華ちゃんと離れるのは嫌・・・
梨華ちゃんだって・・・」
「私だって嫌だよ!本当は嫌だよ!
・・・でも、よっすぃーのためなら、って思ったの
本当にそれで良いの?
私も行っていいの?」
「当たり前じゃない・・・
だって、梨華ちゃん1人だと何にもできないでしょ?」
「・・・うん。よっすぃー」
- 60 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:41
- 嬉しかった。
置いていかれないんだ。って思うと、本当に嬉しかったの。
また、これからもよっすぃーと一緒なんだ。
眠る前でも、起きたときでも、ずっとよっすぃーと一緒なんだ。
それだけですごく安心して、よっすぃーの腕の中でまた眠ってた。
でも、やっぱりそんなにうまくはいかなかったの。
よっすぃーの探してた人には、すぐに会うことができた。
一生懸命よっすぃーのことを探してたみたい。
私たちを見つけると、すごく早く走ってきて、よっすぃーを抱き上げた。
そして、その人たちは一生懸命に私のことを話してるよっすぃーを連れて、
そのままどこかに行ってしまったの。
私も、怖かったけど必死に叫んだ。
よっすぃーだって、何回もその人の手をすり抜けて私の方に走ってきた。
でも、そのたびにまた追いつかれて、抱き上げられて。
- 61 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:41
- 結局、私は置いて行かれたの。
よっすぃーは大きな車に乗せられて、追いかけることもできなかった。
私はずっとそこに立ってた。
でも、やっぱりよっすぃーは戻ってこなくて。
お月様が昇って、空がきらきらしたころにやっと分かったの。
ああ、よっすぃーは行っちゃったんだ。
もう戻って来ないんだ。
そう思うと、胸の奥がきゅって締まった感じがして、とっても痛かった。
頭の中も真っ白になって、知らないうちに泣いてた。
ずっと泣いてた。
いつも2人で寄り添うように眠ってた、小さなベッドの上で。
朝になってスズメさんが鳴いても、昼になってほんの少し光が射し込んできて
も、また夜になって静かになっても・・・
私はずっと泣いてた。
- 62 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:42
- それから何日もの間、私は泣いていたの。
目を閉じると、すぐによっすぃーの声が聞こえた。
頭の中で、よっすぃーは「梨華ちゃん?ちゃんと眠らないと体に毒だよ?」
って私のことを気遣ってくれるの。
そのたびにまた悲しくなって、よっすぃーに会いたくなって。
目を開けるのが怖かった。
目を開けて、よっすぃーはやっぱりいないんだ、って思うのが怖かった。
何回お日様が昇ったのか分からなくなるくらい、私はずっとベッドにいたの。
この間まで、大きな木にぶら下がってた真っ赤な葉っぱも、今はもう地面の上で
寒そうに風に流されてた。
だんだん寒くなって、寒くなればなるほどよっすぃーの温かさが恋しくなって。
いまごろよっすぃーは何してるのかな?
人間の家の中って暖かいんだよね?
いっつも、春みたいに暖かいんだってよっすぃーは言ってた。
犬もいないから、ずっとごろごろ寝てても大丈夫なんだって。
・・・でも。
でも、寒くたって良い。犬に追いかけられたって良い。
私は、よっすぃーと一緒にいたいの・・・
よっすぃーが一緒なら、暖かいし、犬だって怖くない。
だから、お願いします。
神様。よっすぃーに会わせてください。
- 63 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:42
- 『梨華ちゃん、あのね?
神様って、それが本当にその人に必要なお願いで
それから、本当に真剣なお願いじゃないと聞いてくれないんだってさ
だから、梨華ちゃんが今まで神様にお願いを聞いてもらったことないのは
梨華ちゃんが、それだけ幸せだったってことかもしれないよ?』
- 64 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:43
- 「・・・うわぁ」
久しぶりに外に出てみたら、景色が全然変わってたの。
なんか、きらきらしてる。
街中の木がきらきらしてて、赤い服を着た真っ白なヒゲの人がいっぱい歩い
てた。
私の大好きなケーキがいっぱいあって、気持ちの良い音楽が流れてるの。
「これが、クリスマスなのかな?」
たぶん、そう。
よっすぃーにも教えてもらったし、お母さんもよく話してくれた。
クリスマスは、1年で一番幸せな日だって。
サンタさんがプレゼントをくれて、神様はみんなを祝福してくれるの。
みんなが笑顔になる唯一の日なんだって。
夢を見てるみたいに、ぼぉっとしてた。
周りがみんな幸せだから、私だけ仲間はずれみたいで・・・
なんだか、とっても悲しくなったの。
みんな笑ってるのに、私だけがどうしてこんなに悲しいの?
よっすぃーに会いたい。
早くしないと、私よっすぃーのこと忘れちゃうよ。
雨が土の中に染み込んでいくみたいに、よっすぃーとの思い出も、どんなに忘れ
たくないと思っても抑えられない。
時間が過ぎるごとに、私のよっすぃーへの思いは強くなって、記憶は薄くなって
いくの。
そんなの、辛すぎるよ。
- 65 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:44
- 私はそれから街の中を意味もなく歩いたの。
隅っこの方を、何回も人間にぶつかりそうになりながら。
よっすぃーと行ったパン屋さん、ケーキ屋さん。
どこも懐かしくて、いろんなところで立ち止まった。
そして、よく2人で遊んだ公園に来たの。
夏が過ぎると、芝生の上で浴びる太陽の光がとっても気持ち良かった。
外へ出るたびに、この公園で遊んでた。
今はもう寒くなってるから芝生の上も冷たくて眠れないけど、なんとなく
その芝生の上を歩いてみたの。
ちょっと濡れてて、本当に冷たかったけど、なんだか懐かしかった。
春になって、暖かくなってからまた来たいな。
この芝生の上で、ゆっくりと眠りたい。
「寒い・・・」
1回ぶるっと体を震わせて、私はまた歩き出したの。
散歩みたいだけど、全然そんな気はしなかった。
ただ何も考えずに歩いていただけ。
遠くからいろんな音が聞こえてる。
犬の鳴き声も、クリスマスの音楽も、人間の話し声も。
でも、やっぱり私だけ別の世界にいるみたいに、体が浮いてた。
ううん、本当に夢だったの。だって、夢じゃないとこんなこと起きないよ。
「・・・ゃ・・・!!」
遠くの方で声が聞こえて。
「梨華ちゃん!」
それはすぐに近くになって。
「梨華ちゃん!!」
よっすぃーだった。
- 66 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:44
- 「よっすぃー、どうしたの?」
「どうしたの?じゃないよ!
梨華ちゃん!私だよ!?忘れちゃったの?」
「ううん。よっすぃー・・・会いたかったよ
もう、夢でも良いからずっと一緒にいたい・・・」
「梨華ちゃん?何言ってるの?
夢なんかじゃないよ!私は帰ってきたの!梨華ちゃんに会いにきたの!!」
「夢・・・じゃないの?」
「そう、夢じゃない!
私は梨華ちゃんに謝りたくて!それで、会いたくて・・・!」
「・・・よっすぃー?」
「うん。ごめんね・・・
私だけ行っちゃってごめんね・・・!」
「うそ・・・ほんとに・・・よっすぃー?」
よっすぃーだったの。
私の目の前にいるのは、本当によっすぃーだった。
よっすぃーはとっても悲しそうな目をして、私に「ごめんね」って言った。
それから、
「これからはずっと一緒だよ・・・!」って・・・
涙が溢れてきて、前が見えなくなった。
もっとよっすぃーのこと見ていたいのに、ぼんやりしてよく見えないの。
- 67 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:45
- よっすぃーも泣いてた。
よっすぃーの目がきらきらして、街の光がきらきらして。
綺麗だった。
「よっすぃー・・・
私、さびしかったぁ・・・」
こんなに泣いても、まだ涙が止まらない。
遠くから聞こえる鈴の音がとっても気持ち良いの。
よっすぃーは何も言わずに、私をぎゅって抱きしめてくれた。
よっすぃー。
私、生まれて初めて、心から神様にお願いしたの。
もう一度だけ、ひとめで良いからよっすぃーに会わせてください。
他に何もいらないから。
ただ、会いたいって。
本当だね?
神様っているんだね。
私のお願い、聞いてくれたよ。
神様。ありがとう。私、とっても幸せです。
- 68 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:46
- よっすぃーと2人で歩く、光であふれた街。
クリスマスって不思議だね。
みんなが幸せになる日。本当にそうなるんだもん。
神様は、私にとても素敵なプレゼントをくれた。
世界中が幸せに包まれる日。
よっすぃーと歩く、きらきらの街。
「・・・あ!」
ちょっと冷たくなった鼻の頭に、何かを感じて。
「うわぁ・・・」
空を見上げると、ふわふわで真っ白な雪がゆっくりと近づいてきてた。
「・・・雪だぁ」
「うん」
「寒くない?」
「・・・ううん
だって、よっすぃーがいるもん・・・」
「・・・うん」
「・・・」
「きれいだね・・・」
「・・・うん」
- 69 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:46
- 今日はクリスマスイヴ。
絶対に忘れないよ。
これからも、寒くて、つらくて、泣きたくなることもいっぱいあると思う。
でも、私はよっすぃーがいるだけで良い。
あの天井裏の小さくて寒い部屋で、今日もよっすぃーの温もりを感じて眠る
ことができる。それが一番の幸せ。
いつまでも私はよっすぃーを頼ってばかりで、迷惑ばっかりかけちゃうかも
しれないけど。
ずっと、一緒にいようね。
もう離れることなんかないよ。
だって、神様が私たちを会わせてくれたんだよ?
こんな幸せってないよね。
世界中が幸せに包まれる日。
全ての命が祝福される日。
本当だね。みんな幸せそうに笑ってるよ。
でも、ひとつだけ言えることがあるの。
- 70 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:46
- 私が、世界中の誰よりも、一番幸せ!
- 71 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:47
-
☆
- 72 名前: チャーミー剣士 投稿日: 2001/12/24(月) 23:47
- ふわり、ふわりと浮かぶネオンの中。
少しずつ冷たく、そして澄んでいく空気の中。
それは雪になって、地上に降りつもる。
幸福に包まれて、明るい笑顔があふれて・・・
真っ白に染まった地面に小さな足跡が見える頃。
優しさと、温かみに守られて、目を閉じる・・・
12月24日。クリスマスイヴ。
たとえ不幸だと思っている人がいたとしても。
自分だけにしか与えられない幸福、小さな笑顔は確かにそこにあった。
- 73 名前: チャーミー剣士(終了) 投稿日: 2001/12/24(月) 23:48
- ありがとうございました。
感動するとか、萌えるとかを抜きにして
ただひたすらに絵本みたいな話、というものを目指してみました
なんとか24日に間に合って良かったです・・・
- 74 名前: じゃない 投稿日: 2001/12/25(火) 00:26
- (T▽T)うわああああああああああああああんヽ(`Д´)ノチャミ剣サンタさん、素敵なプレゼントをありがとう。
絵本みたいな、とは言い当て妙ですな。確かにこれは絵をつけたい作品です。
- 75 名前: 名無しさん 投稿日: 2001/12/25(火) 01:00
- とてもいいプレゼントもらいました。
気持ちよく眠りにつけそうです。チャミ剣さん、ありがとう。
- 76 名前: 名無しサンタ 投稿日: 2001/12/25(火) 01:53
- チャーミー剣士のサンタさんありがとう( ● ´ ー ` ● )
激しく感動しましたぞー!!
- 77 名前: オイラ 投稿日: 2001/12/25(火) 02:02
- 感動しましたよ。ちょい泣きしちゃいましたよ。ありがとう。
それと、メリークリスマス!
- 78 名前: 名無しサンタ 投稿日: 2001/12/25(火) 20:31
- まさにこんな感じ・・・ .∧∧ヘヘ
( ノ )
/ | \
@__ノ(___ノ チャミ剣ありがとう。
娘。小説に「あったか」というジャンルを作り出したあなたは
ほんとに最高です。
- 79 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 05:59
- 自分のサイトであげろと思われる方もいらっしゃいますでしょうが
ちょっと思いついたので短編書いてみます。
問題あれば削除してもかまいませんので>管理人さん
- 80 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 06:00
- 「シンデレラってさー」
「…ん?」半分寝てたから反応が遅くなってしまった。
目をこすりながら私はひとみちゃんの顔を見る為に少し顔を上にあげた。「おかしいよね」
「……なにがぁ?」
「顔を見れば分かるじゃん。汚い格好してても」多分、王子様がガラスの靴を履かせ回っている事を「おかしい」と思っているのだろう。………私、そんな事の為に起こされたの?「確かにそうだけどね…でもそういう設定なんだから仕方ないじゃない」けど、シンデレラが履かなければ踵を切り落としたお義姉さんを王子様はお嫁にしてたんだろうなと思う。
私としては踵を切り落として血が出てるっていうのに気付かない方がどうかと…ってそれは初版の話しか。
- 81 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 06:02
- 「梨華ちゃんは女の子っぽいのに夢がないなー」
「ひとみちゃん……あんな質問すること自体、夢がないよ」
「そっかなー」
「そーですよ」
「でもさ、私ならガラスの靴なんてなくったって梨華ちゃん見つけられるよ?」何度も思う。
この人はどうして突拍子もない事を言うのかと。
ひとみちゃんにとっては普通の事なんだろうけど、周りから見ればそれはかなり変だ。
………そーゆートコも可愛い。なんて思っちゃったりするんだけど今は状況が違う。
私はとても眠いのだ。まぁ……嬉しいんだけどね。好きな人から言われてるんだし。
例えそれがクサイ台詞であっても。
それでもやっぱり眠いから効果は半減。
- 82 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 06:23
- 「んーありがと」
「………愛が足りないなぁ梨華ちゃんは」
「なによ。私はいつだって愛で溢れてますよ?」睡魔に負けていた私もひとみちゃんの言葉でちょっと目が覚めた。
普段はメンバーに
「今日も可愛いね、マリマリマリー。もう抱きしめたいくらいだよ」とか。
「素敵だね、その衣装。カオリにとっても似合ってるよ。」とか。
「たーかーはーしぃー。小川とベタベタしてないで吉澤とお茶でもしない?」とか。
「そんな格好しちゃって、ごっちんもしかして誘ってる?吉澤はいつでもOKだよ」とか。
「あぁ、その笑顔……眩しすぎる。安倍さんってホント天使みたいですね」とか。
「辻、加護は元気だなー。飴あげるからちょっと静かにしててね」……これは違うか。
保田さんには何も言わないのかって?
…………聞かないで。
ま、とにかく私よりもひとみちゃんの方が愛が足りないと思うの。
私はひとみちゃんしか見ていないのに。
「じゃー梨華ちゃんは私をちゃんと見つけれくれる?」
「もちろん」
「ガラスの靴がなくても?」
「どんな事をしてでも見つけるよ」
「私も」爽やかな笑顔で頷きながらひとみちゃんは言った。
- 83 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 06:30
- 繋いでいた手を強く握り締められる。「梨華ちゃんが嫌って言っても」細い指。「絶対お城に連れて帰るんだから」冷たい手。「絶対ひとみちゃん好きって言わせるんだから」ひとみちゃんはいつだって私の胸を締め付ける。「何度でも言ってあげる。ひとみちゃんが『もういいよ』って言ったって『好き』って言う」
「『もういいよ』なんて言わないよ。梨華ちゃんからいっぱい聞きたい…」握り締めていた手を離し私の頬に手をやる。
冷たかった手は私の温度で少し温かくなっていた。「好き……大好き……ひとみちゃんが大好き…」
「梨華ちゃん……」ひとみちゃんも言って。と言おうとしたけどそれは無理だった。
だって、ひとみちゃんの顔が近づいてきたから。
瞳を閉じて首に手を回す。
- 84 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 06:33
- 吐息がかかって次に柔らかい感触が唇に伝わった。それは解けることのない二人だけの魔法。温かくて気持ちよくてお互いの気持ちを確かめ合える。そんな、幸せになれる素敵な魔法。
- 85 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 06:36
- おわり。
途中でageてしまった…鬱。
めちゃくちゃ適当で申し訳ないです。
- 86 名前: リリカル 投稿日: 2002/01/08(火) 09:28
- 綺麗な冬のイメージですね。
情景が見える作品を書かれる方はすてきだなぁ
- 87 名前: 名無しチャーミー 投稿日: 2002/01/08(火) 13:43
- (・∀・)イイ!!
こういうの凄く好き
- 88 名前: 名無し梨華たん 投稿日: 2002/01/08(火) 23:15
- >リリカルさん
ありがとうございます。そう言って頂けると伝わってて良かったと安心しました。
あまり上手く書けなかったのでHPに載せる時は直そうかなぁと考え中(w>91
ありがとうございます。
最近萌え!っていうのを書いていなかったのでそれを目指しつつも
温かさも伝えられれば良いなと思い書きました。
- 89 名前: 名無しハッピー 投稿日: 2002/02/04(月) 12:02
- ここって萌えなきゃダメ?
お馬鹿かエロしか書けないから…
バカ話はお嫌いですか?
- 90 名前: じゃない 投稿日: 2002/02/05(火) 02:32
- エロ大臣はバカ話大臣も兼任します。さあ張り切ってどうぞ。
- 91 名前: 名無しハッピー 投稿日: 2002/02/05(火) 04:38
- おバカ大好きですが何か?
- 92 名前: 93 投稿日: 2002/02/05(火) 09:18
- タモ加護始めちゃいました(w
- 93 名前: 空跳び 投稿日: 2002/02/06(水) 02:34
- 某スレで聞いたところ、お許しを頂いたのでちょっとここに置かせてね。
かなづちキンギョという作品の番外編です。
本編は飼育に置いてあるんですが、今は見られないですね。
一応、読んでなくても分かるようにはしたつもりですが…。
- 94 名前: 緑の電車で恋は走る 投稿日: 2002/02/06(水) 02:36
「梨華」
そう呼べるのが自分だけだという事に、
吉澤は最近になっても喜びを覚えていた。
「なに?ひとみちゃん」
いつまで経っても石川は吉澤をそう呼ぶ。
それはそれで、吉澤の呼ばれる唯一の呼称だったので、
吉澤はそれに対しても同じぐらいのこそばゆさを覚えていた。
「プール行こうか」
「まだ寒いよ?」
一人暮らしの彼女の家は真っ白な構成。
まるで彼女自身を表す様な真っ白な部屋だった。
つい最近までトラウマ一杯の部屋だったそこで、
石川が恐い思いをする事なんて今は皆無に等しくなった。
その一番の理由は週の半分は訪れる恋人の所為でもあったけれど、
石川は敢えてそれには触れなかった。
「温水プールの券もらったの」
「凄い!何枚?」
「ペアチケットが二組」
二回もいける、と続けようとした吉澤よりも先に
石川が嬉しそうに言った。
「じゃぁ、四人でいけるわ」
吉澤がこっそりため息をついた事なんかには気付きもせずに、
石川は弾んだ声でお隣さんに電話した。
- 95 名前: 緑の電車で恋は走る 投稿日: 2002/02/06(水) 02:37
冬も終りに近付いているとは言え、最後の冬が大暴れをしていた。
「ねー、ホントに行くのぉ?」
「来たくないなら家でなっちといちゃいちゃしてればいーじゃん」
後藤の不満そうな顔に更に不満そうな顔で吉澤が答えた。
「帰れる訳ないじゃん」
坂の下の方では朝露が霜になっているのを楽しそうに見ている少女達がいた。
「温水なんだから暖かいよ、きっと」
「帰りが寒そうだよぉ」
ぶつぶつと不満を口にする後藤を置いて、吉澤が小走りに坂を降りていった。
「あ、ちょっと待ってってば!」
後を追う後藤の足音も早まって、霜がさくさくと音を起てた。
寒そうに身を縮こませながら、少女達は駅へと向かった。
冬アイスか夏アイスかと下らない議論が繰り広げられて、
それは吉澤に既視感を与えた。
違うのは、そこに1人増えてる事だけ。
「じゃぁ、春アイスでいいんじゃない?」
「よっすぃ!」
「よっすぃ!」
「ひとみちゃん!」
吉澤の投げやりな意見に怒る声も一つ増えていた。
違うのは、吉澤の中で1人になりたいなんて、面倒がる考えがない事だけ。
くすぐったそうに笑って、吉澤は彼女達よりも一歩前を歩き出した。
「早くしないと置いてっちゃうよぉ」
競争の様に少女達は駅まで向かっていった。
- 96 名前: 緑の電車で恋は走る 投稿日: 2002/02/06(水) 02:37
全国でももう珍しくなってしまった二両編成の小さな緑の電車が、
無人駅へ到着するのを、四人は小銭を用意しながら見ていた。
「ねぇ、この電車っていいよね」
「よっすぃーぐらいだよ、そんな事言うのは」
吉澤がしみじみと言うと、後藤が笑って冗談を言う様に言い返した。
「そんな事ない」
「うん。レトロで可愛いよ」
安倍と石川のフォローに後藤は渋々と頷いた。
「なくしたくないじゃん、こういうのって」
「冬は少し寒いけどねぇ」
「ま、夏はそんな事もないんだからいいじゃん」
車掌さんに小銭を渡して、少女達は並んで席についた。
休日の早朝なだけあって、車内に人はいなかった。
電車は比較的ゆっくりと走って終点まで彼女達を連れていった。
電車を降りれば、そこは普段彼女達が暮らしてる場所よりも
ずっと活気に溢れていて空気も心無しか暖かかった。
「あ、あそこのプール」
吉澤が指をさした高いビルに、少しだけ驚かされながら
四人はビルの中に入ろうとした。
「あれ?開いてないよ?」
安倍が不思議そうな顔で吉澤を振り返った。
「えぇっ?そんな事ないよ」
手に持ったチケットを後藤に渡して、吉澤もドアを開けようとしたが、
ドアはうんともすんとも言わなかった。
- 97 名前: 緑の電車で恋は走る 投稿日: 2002/02/06(水) 02:38
「ねぇ、よっすぃー」
少し控えめに、後藤が吉澤を呼んだ。
「どっか他に入り口があるのかなぁ?」
「ここに書いてあるよ」
後藤がチケットを見せて、四人は自然とチケットの回りをぐるっと囲んだ。
「…よっすぃー」
呆れかえっている後藤に、慌てて石川がフォローを入れた。
「ほ、ほら。確認しなきゃいけない事を忘れちゃう事だってあるよ」
「梨華ちゃん、それフォローになってないべ」
青空はビルの隙間から、それでも高く高く広がっていた。
チケットには、利用期間の隣にくっきりと休館日が書かれていた。
「今日って、なん、にち?」
「そのチケットに書いてある日にちだよ」
吉澤の声のトーンがどんどん下がっていった。
「ごめん。今日はなんか奢るよ…」
その様子を見た後藤がぼそっと口を開いた。
「後藤は、マックでポテト食べたいなぁ」
後藤の言葉に続いて、ビルの隙間から声が響いた。
「なっち、アップルパイがいいな」
「私もマックのアップルパイ食べたい」
他にないよね、と笑いあう安倍と石川に、
それから、にっと笑顔を見せている後藤に、吉澤はやっと笑顔を見せた。
「ほんと、ごめん。今度はちゃんと見て行く日を決めよう」
- 98 名前: 緑の電車で恋は走る 投稿日: 2002/02/06(水) 02:38
ばらばらと歩き始めた四人は、ファーストフード店の
少し手前にあったお好み焼き屋さんから香ってきたソースの
香ばしい匂いに惑わされて、結局体をソース臭くしながら緑の電車に乗った。
「美味しかったぁ」
「ごちそうさま」
「いーえ」
それだけ言うと眠りについてしまった安倍と後藤を見ていた目を
反対側に戻して、吉澤は石川を覗いた。
「ごめんね?」
「なんで?楽しかったわ」
窓の向こうでは都会から段々と田園風景に変わっていっていた。
「…ねぇ」
太陽が夕日へと変わって、そこは冬の1日の一番綺麗な瞬間だった。
「なぁに?」
「今度デートに誘ったら、二人きりでね」
「…はい」
太陽が彼女達を眩しく照りつけた。
遠くにいても、太陽の威力は変わらない事を吉澤は思い知った。
だけど絡められた指先がだんだん暑くなっていったのは、
太陽の所為ばかりではない筈だと、先刻よりも少し強く握って吉澤は目を瞑った。
- 99 名前: 緑の電車で恋は走る 投稿日: 2002/02/06(水) 02:39
- 〜end〜
【緑の電車で恋は走る】
- 100 名前: 空跳び 投稿日: 2002/02/06(水) 02:41
- 終りです。
落ちも何もない話でごめんなさい。
- 101 名前: 名無しハッピー 投稿日: 2002/02/06(水) 08:28
- こう、なんか、砂に水がしみこむように。
猫さんありがとう〜♪
- 102 名前: 名無しハッピー 投稿日: 2002/02/06(水) 08:51
- むこうが、あんなんなっちゃってるんで、こっちをなんとなく彷徨ってたら、
発見してしまったぁ…ラッキー!
「かなずち〜」大好きだったので、すっごいうれしいです。
やっぱり情景が浮かんでくる文章がとてもイイですね。
実は今日、自分誕生日なんで勝手に「プレゼント」もらった気分になってます。
また、素敵なの書いてくださいね〜!
- 103 名前: 夜叉 投稿日: 2002/02/06(水) 09:44
- 飢え気味の自分に水と光を下さり、有難うございます。>遠くにいても、太陽の威力は変わらない事を吉澤は思い知った。
この表現、やはり師匠です。
落ちも何もない話だなんて、そんなことないですよ。
いつも温かくなれる話を有難うございます。体調が早く良くなることを祈りつつ。
- 104 名前: 名無し男 投稿日: 2002/02/06(水) 16:19
- ヤパーリ(・∀・)イイ!暫く俺の廻りでは漢とモスリムと石油だらけの水泳大会inアラビア湾が
開催されていたのでとてもリフレッシュされました
- 105 名前: 名無しハッピー 投稿日: 2002/02/06(水) 21:40
- 毎回、読んでていい気分にさせてもらっとります。
ホントすばらしい!また、たのしい読み物を期待したりなんかしてます。
- 106 名前: 空跳び 投稿日: 2002/02/06(水) 21:44
- >105 いえいえ、こちらこそ有難うございます。
桃に書いていいものか迷ったんですがね。>106 おめでとうございます。
こんなんで宜しかったら、幾らでももらってやって下さい。>107 夜叉様
いやはや、私にも水となり光となっております。
もうそろそろ体調も戻って参りました。御心配、有難うです。>108 名無し男様
うわ、凄い水泳大会でしたねぇ。
「ドキッ★」もつけられないですね…。(例:「ドキッ★女だらけの〜」)レスして下さった方も、読んで下さった方も有難うございました。
- 107 名前: じゃない 投稿日: 2002/02/08(金) 02:32
- >110
>桃に書いていいものか迷ったんですがね。迷わず書けよ、書けばわかるさ。グッジョブ。seekが復活したら、改めてseekに載せることをお勧めします。
桃板は管理人のスキルの無さと不精さゆえ、保存庫も無いので。スマソスマソ
- 108 名前: 空跳び 投稿日: 2002/02/11(月) 05:53
- >109 気付くの遅くてごめんなさい。
M-SEEK復活という事ですが、またこっちでも
こっそり遊びたいと思ってます。>111 じゃない様
まさか、じゃない氏にレスをもらうとは思ってませんでした。
またこっそり読みきり書かせて下さいね。
SEEKに再掲載>まぁ、番外編ですので、ここだけの秘密にしときます。では、今度こそさらばです。
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