【おながい】七夕スレ・その後【フラッシュ】

1 じゃない 2002/07/07(日) 17:33
奇跡の名スレ「七夕おながいスレ」の余韻にひたるスレです。

今夜、星が見えたかどうかの報告もしまひょかね。
2 名無しマジレス 2002/07/07(日) 17:34
マジレスに参加できて良かったよ
3 名無しマジレス 2002/07/07(日) 17:34
おつかれさまでした。まずは「1000にいく」というお願いが叶いましたね
4 名無しマジレス 2002/07/07(日) 17:34
今後「願いがかなったか?」の報告もここかな?
5 名無しマジレス 2002/07/07(日) 17:35
心から感動しました。今夜どうなるかな…
6 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:35
無事、冷凍庫のアイスが食べごろに冷えてますた
7 名無し募集中。。。 2002/07/07(日) 17:35
この瞬間にいたことがまさに幸せシャッフォー

昨日は薄汚い関東でも綺麗なお星さんが見れたけど今日はどうだろう?
8 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:35
ヲレも。900からでっかいでっかい宇宙にあーるを脳内で大合唱ですよ。
9 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:36
昨日・今日と雨だったんで今日は星みれるといいな・・・
10 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:36
ネタもいっぱい書いたけど、マジレスも書けて良かった。
最後感動したよ。正直ありがとう、じゃない、桃板。
11 7誌ののたん 2002/07/07(日) 17:37
正直1000取らなくてよかった・・・
12 じゃない 2002/07/07(日) 17:37
えー、感動のところ、ぶちこわしで申し訳ないのですが、

      アメ(^▽^)ンボスで、19400円負けますた。

・・・そのぶんみんなのおながいがかなえばいいんですヽ(`Д´)ノウワアアアアアアアン
13 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:38
参加して本当に良かったです。参加してないと味わえない物を味わいました。
またまたまたありがとう、桃板&じゃないさん
14 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:38
前スレ1000とっちまった・・・ズワーイ(^▽^)ハッピー♪

ヲレっていうよりいしよしの神が降りてきてたのでしょう
あとじゃない社長が規制解除してくれてたおかげってことで
15 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:39
>12
14400円単勝、5000円を複か馬連ってことで?
16 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:39
>>12
ヴァー強力・・・来週の馬単・3連複で挽回だね(w
17 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:39
その3でも待つか。
18 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:41
リアルタイムで1000までいくの見ながら書き込めてほんとよかった・・。
ネタで楽しめたしマジレスで涙できたし。
19 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:41
心温まるプチ祭りに参加できてよかったよかった。
20 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:43
>14
あの1000がスレに深みを与えてくれたのれす。ありがとうなのれす!
21 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:44
七夕という行事って今までこれと言った思いはなかったしその意味も
よくわからなかったけど、今日初めてわかった気がするよ。
願うことってすごいんだね。
22 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:45
そうそう。あの1000のシメがすっごく深みあたえたんだと思うよ。
あのいしよしAAから始まりあのいしよしAAで終わる。これって素敵やん?
23 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:47
保田さんも下のほうでこっそりおながいごとに参加してた様子。(w
キャッ(#´▽‘)´〜‘0)<もっと鍛えてください。
24 じゃない 2002/07/07(日) 17:47
>15
(^▽^)単勝で10000円+複勝で4400円=14400円
その他、ボクサー(0^〜^0)-(^▽^)の馬連等々で5000円
合計で、( `▽´)<あ、いくよー(194-)♪ の19400円    です。

みんなのおながいごとがかなうためのお賽銭と思えばヤッスーいもんです。

>14
アク禁巻き込まれたのも、神1000とったのも、
偶然でありながら必然ですな( ̄ー ̄)ニヤリッ
25 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:58
いいお願いがいっぱいあった。
26 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:59
みんなのお願いを読んでジーンとしました。
叶うといいね!

1000までには間に合わなかったけど、
母親の病気が少しでも長く現状維持でいられますように。
来年の今日も、一緒に七夕を迎えられますように。。。

これだけはどうしてもお願いしたくて。スマソ。
27 名無し七夕 2002/07/07(日) 17:59
間に合わなかったよほ・・・
こんなにものすごい勢いで進むなんて・・・
28 名無し七夕 2002/07/07(日) 18:01
とりあえずこれが叶ったりしないかなあ

810 名前: Do it!Nanashi 投稿日: 2002/07/07(日) 16:37
夜明けどころか今日中に1000逝ったあかつきには
いしよし七夕小説が読めたりしますように

( `.∀´)ジブンデカキナサイヨ!     三( 0^〜^0)ムリポ
29 堂本 2002/07/07(日) 18:03
んあ、1000到達を確認して風呂入ってたらこんなスレが。時代の流れに乗り遅れたぽ・・・ (;゜皿 ゜)ンガー

ちいさな幸せから超メジャー級の妄想まで、それぞれがかなうといいですね。
30 名無し七夕 2002/07/07(日) 18:18
愛知県某市、雲が多いなー見れるかなあ
でも雲の合間から夕日が差し込んでいて綺麗。青空もちょっと見える
31 名無し七夕 2002/07/07(日) 18:35
26さんと同じく間に合わなんだけど、マジなお願い事。

別れた人に素直に好きと言って、上手くふっきることができますように。
正直まだ無理っぽいけど。

自分が勇気出せばいいだけ?
32 名無し七夕 2002/07/07(日) 18:55
前スレ117の
(^▽^)<理解して!女の子 がカラオケで歌えますように
っていうのと、のんすとっぷがカラオケに入ると嬉しいなー。
33 名無し七夕 2002/07/07(日) 18:56
27だけど、やっぱお願い事する。
今日誕生日なヲレ。1年は早く、10年はもっと早い。
10年後も仕事がありますように。
10年後もいしよしが世界のどこかで幸せに暮らしていますように。
34 名無し七夕 2002/07/07(日) 18:58
>33
(^▽^)<おめでとうございまーす(棒ry
35 名無し七夕 2002/07/07(日) 19:03
>33
(^▽^)<誕生日おめでとうございまーす>(0^〜^0)

33たんの願いが叶いますように。
36 ケロンパす 2002/07/07(日) 19:11
うあー。表紙に集中してたらマジ終わってた。
マジレスしそびれても幸せになれますように(苦笑
37 名無し七夕 2002/07/07(日) 19:21
でだ、ケロたんの表紙塗り終えますようにってゆうおながいは叶ったの?
38 名無し七夕 2002/07/07(日) 19:59
夜空がチカチカしますな…ナガーく見えますよほ。
もしやアマノガワ?みんなさんからみえる夜空はどんなんでしょ?
39 名無し七夕 2002/07/07(日) 20:09
東京でも西の田舎の方だけど、まあまあ星見えてるぽ
40 ケロンパす 2002/07/07(日) 20:14
>37
今裏表紙やってます。合わせてUPするので乞うご期待。
41 吉澤ヲタ 2002/07/07(日) 20:35
七夕スレおさらい
・1−100…じゃないさんから始まり、静かでいい感じの願い事が続く
・106に駄洒落を書いた馬鹿者のせいで一気にネタスレに
・しかもそいつは書き込むとすぐ落ちるので非難のレスを読んでいませんでした
・わたくしです。ごめんなさい
・そこからさらに実況スレに
・300−700…今思うとこのへんもっとのんびりやっても良かったけど、
 この時点では「やばい、早く消費しないと1000逝かない」と思ってた 
・900から再び初心にかえった静かで美しいマジレスが
・1000…奇蹟
結論
・マジレスとネタレス、良レスと駄レスを生暖かく包み込んだ
 桃板を象徴する名スレに
42 名無し七夕 2002/07/07(日) 20:54
七夕スレなんだか泣けた。
43 じゃない 2002/07/07(日) 21:01
千葉県市井の近所。

全体的に雲だらけ、でも肉眼でパラパラっと単品の星は見える、
でも次の瞬間に雲で消えちゃう、の繰り返し。
1つ「流れ星だったり人工衛星だったり」風な、ツツーっと消えるのがあったので
勝手に流れ星だと思うことにします。

そんな中、ずっとふんばってる星が1つあったので、
「努力未来あびゅてほすたー」と命名、マジレスしたおながいごとをリピートしときますた。

これで、かなうよ。
44 名無し七夕 2002/07/07(日) 21:08
ウチは蜘蛛だらけで全然だめぽ(T▽T)
45 ケロンパす 2002/07/07(日) 21:19
T県ド田舎某所。やっと表紙が上がる。雲があるけど星も綺麗。

ttp://hechimadoh.com/syoi.jpg
ttp://hechimadoh.com/urasyoi.jpg
さあ見てケロ。
46 名無し七夕 2002/07/07(日) 21:24
ポン酢T━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
47 ( ´D`)モグモグ ( ´D`)モグモグ
( ´D`)モグモグ
48 名無し七夕 2002/07/07(日) 21:28
>47
削除キボンヌ
49 名無し募集中。。。 2002/07/07(日) 21:32
>45
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
モエタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
50 名無し七夕 2002/07/07(日) 21:34
>45
やべ、(ё)にモエちまった
51 名無し七夕 2002/07/07(日) 21:43
>吉沢ヲタ
>106に駄洒落を書いた馬鹿者のせいで一気にネタスレに
↑こういうのは最初に書いたヤシより便乗してくるヤシが悪いのです

すいません106の次は自分です。
52 名無し七夕 2002/07/07(日) 22:13
七夕スレ、間に合わなかった・・・。
部屋から空を見上げても、星、全然見えなかった。でもそこは、心眼でカヴァー!
大切なことは目に見えないって、星の王子様も言ってるし(キショ

みんなの願いがかないますように。
悲しみが一つでも減って、平和な世界でヲタヲタ出来ますように。
まだ、七夕に間にあってますように。駄レス、スマソ
53 堂本 2002/07/07(日) 22:18
今日見るコイシカワのFlashはまた格別。持っている方は是非。


▽-)フンニャカピー
54 ななたん 2002/07/07(日) 22:31
乗り遅れたー

・リアルで何故か加護ヲタ呼ばわりされているのを止めてもらえますように
・大学院に受かりますように
・じゃないが実在しますように
・少しでも多くの魅力ある人に出会えますように
55 名無し七夕 2002/07/07(日) 22:31
仙台の七夕は来月なんで、今、この板にくるまで七夕だということを忘れていた…
56 地元仙台 2002/07/07(日) 22:52
>55
仙台人ハケーソ
七夕祭りは毎年雨に見まわれる罠。今年は晴れるといいね。
57 pino 2002/07/07(日) 22:54
ちゃんとした事書いてなかったな・・・
コンサのセットリストいつもと変わりますようにとか、宝くじが(略 とか、チケット前のほう(略
とか思い浮かんだが、結局は


・娘。達の笑顔が曇りませんように  (=ヲタの幸せSA!
58 名無し七夕 2002/07/07(日) 22:59
七夕スレに書き込んだおかげで、課題が終わったー!!!
59 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:05
えーっと、七夕小説をUPするとしたら、どこに書いたらいいんですか?
もし出来たとしても、たぶん朝になると思うんですけど…
その場合は、この板に書いて良いでしょうか?
60 じゃない 2002/07/07(日) 23:05
>58
おめ。あとは明日寝過ごさないようになー。

七夕をこんなに意識して過ごしたのは初めてだなあ。。
61 じゃない 2002/07/07(日) 23:08
>59
作者さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

このスレでもよいですし、
いしよし小説だったら、「いしよし小説短編スレ」でもよいですし、
普段seekに書いててseekのほうが慣れてるようならそれでもよいですし。

好きなところに、好きなときに書いてください。楽しみにしています。
62 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:10
>56
うん。特に前夜祭の花火大会は、高確率で雨だよね(w

今年は8/6@`7@`8だ。
1日後ろにずれたら、七夕→なち誕SUGOだったのに…
63 じゃない 2002/07/07(日) 23:12
ご参考

いしよし短編小説スレ
http://jbbs.shitaraba.com/music/bbs/read.cgi?BBS=605&KEY=1014474265

いしよし短編小説エロなしバージョン
http://jbbs.shitaraba.com/music/bbs/read.cgi?BBS=605&KEY=1015428297

実も蓋も無い分け方ですが(^▽^;)(0^〜^0;)
64 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:22
>59
七夕小説キタ━━━━━(^▽^)人(0^〜^0)━━━━━━!!

頼んだ本人としては嬉しいやら嬉しいやら嬉しいやら。
どこに乗せても新作情報が追いかけてくると思います。
楽しみにしていますが無理されないでくらさい
65 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:25
じゃないさん、親切なスレどうもです。
七夕ものでいしよしになるはず…なんせまだ書き初めてなかったり…
いや、でも言ったからにはUPしますよ。
エロには…ならないです。

書き込む場所は、できればここが良いです。せっかくの七夕ですし。
えーっと、とりあえずUP出来ましたら小説総合スレッドに書きます。
64さん、ありがとうございます。がんがります。
66 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:48
【更新中】
金板:星に願いを(「IT'S MY PARTY」スレ内)
>59さんですか?
67 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:49
ヲレも七夕小説出来あがったんだけど、どうすりゃいいかな?
68 ケロンパす 2002/07/07(日) 23:52
表紙があがれば次は本文。こちらも12日夜までにあがりますように…
あがらないと恋人は心の応援団のコ(ry
69 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:57
ケロンパすたんの恋人は心の応援団のコ(ry)を見てみたくもあり。
もちろん梨華たん役で。
70 名無し七夕 2002/07/07(日) 23:57
>67
>>63にぅpしてけれ
71 エト 2002/07/07(日) 23:57
>66さん
違います。ごめんなさい(w
…じゃあ、HNは「エト」でいきますので、出来あがったらどうぞよろしく。
72 67 2002/07/07(日) 23:59
う、できれば59さんと同じくここじゃだめぽかなあ。折角七夕スレだし

もう全部出来あがってるので59さんにカブることはないと思うけど
73 名無し七夕 2002/07/08(月) 00:01
前スレ814さんのお願いに応えてみた。。。
七夕小説じゃあないけど・・・
74 67 2002/07/08(月) 00:17

よーし、返答が無いってことはOKと勝手に判断してはじめちゃうぞー。
7日には間に合わなかったけど。
75 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:18

いつものように仕事をして、いつものように狭い楽屋。
ぽっかり空いた暇な時間。
新曲の話題とか、あたしは出てない新番組の話題とか、面白い漫画の話とか、
13人もいると騒がしくってしょうがない。
のんちゃん痩せたー?なんてほっぺたをぷにぷに突ついてる飯田さんと
言うまでもなく寝てるごっちんに挟まれて、
あたしは新曲のMDを聞きながらなんとなく雑誌を読んでた。
そういや、梨華ちゃんはどこいったんだ?
さっきまで保田さんとしゃべってた気がするんだけど。
トイレかな。
…まあいいや。
76 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:19


『夢は叶うよ 絶対叶うから
 行こう』
77 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:20

…今回の曲、あたしほとんど出番ないなあ。
思っちゃいけないって思うほど、余計に考えちゃうスパイラル。
五期メンもちゃんと世間にアピールしていかなきゃならない。
それはわかる。わかるけど。
なんか、ダメだ。気分が重い。
最近体調も悪いし…。
78 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:20


『覚悟するのは簡単だった
 夢がそこにあったから』
79 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:21

そうだな。娘。に入る時にした覚悟は、たいしたものじゃなかった。
努力するのも辛くなかった。目標があったし。
でも、今は?
今、あたしちゃんと笑えてるかなあ。
やっていけてるかなあ。
娘。そのものだって、いつまで続くかわからない。
いつもは気にならない、気にしないようにしている不安が後から後から湧いてくる。

こんなネガティブになってちゃ、梨華ちゃんのことからかうことも出来ないな。
最近の梨華ちゃんは、ほんとしゃべれるようになった。
ちょっとつつかれても、落ち込むことも少なくなった。
その分あたしに泣きついてくることも少なくなって、
実はちょっと寂しかったりもするんだけど。
…まあ、そんなこと本人の前じゃ口が裂けても言えないんだけどね。
80 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:22

なんてことをぼんやり考えてたら、突然目の前に梨華ちゃんの顔が現れて変な声が出た。
梨華ちゃんは何故か息を切らしている。
「ちょっと来て」
戸惑うあたしに構いもせず、梨華ちゃんはあたしの手を握ってどこかへ連れていこうとする。
「ちょ、ちょぉまっ…うわわ」
イヤフォンを外す間もない。
しょうがなく握られてない方の手でMDプレーヤーを持ったまま、
あたしは梨華ちゃんに引っ張られるままに楽屋を飛び出した。
振りかえった時、なぜかニヤニヤした保田さんの顔が目に入った。

廊下を走る。
途中でぶつかりそうになった小川と高橋が物凄いビックリ顔でこっちを見てる。
「梨華ちゃ…どこ、いくの」
「いいからはやく!」
すげー強引。なんだよ一体。
81 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:23

エレベーターの前で立ち止まり、上行きのボタンを押す。
もどかしいように階数表示を見上げると、梨華ちゃんはちらりとこっちを見た。
いわくありげに笑って、握った手にぎゅっと力をこめる。
とりあえずあたしは、流れっぱなしだったMDをとめてイヤフォンを外した。

どうやらあたしを屋上に連れていこうとしているらしいってことは、
梨華ちゃんが最上階のボタンを押したことでわかった。
二人で来たことも何回かあったし。
でもなんでそんなに急いでるんだろ。
それが謎。
82 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:25

重い扉を開けると、むわっとした夏の夜の空気がからだ全体を包み込む。
梨華ちゃんはあたしの手を離して、少し離れた金網に近寄って空を見上げた。
あたしもなんとなくつられて視線を上へ。
久しぶりに見た気がする空は暗く曇ってて、なんだかあたしの気持ちみたいだった。

「あー、あああ、もう、遅かったー…」
しばらく梨華ちゃんは何かを探すように必死に目を細めていたけど、
やがて情けない声をあげてがくりと顔を落とした。
「…なんだったの?一体」
自分で出した声がちょっととげとげしくて、自分でびっくりした。
ちょっとネガティブだったうえ
急かされてよくわかんないままがっくりされて、
知らず知らずのうちにイライラしてたんだろう。

それに気がついたのか、
戻ってきた梨華ちゃんは困ったような申し訳ないような顔をして、
「んー…ごめんね、なんか。…星、さっきいっこだけ見えたから…」
「星?」
なんで星?わざわざ?
眉をひそめるあたしの顔を下から覗きこむように、梨華ちゃんは微苦笑する。
「今日、何月何日?」
「あ」
83 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:26

さっきとは違う気持ちでもう一度、空を見上げる。
少しだけ祈るような気持ちで目を凝らしてみるけど、やっぱり星は見えない。
でも、なんだか胸の中に詰まってたモヤモヤが、ふっと軽くなるのを感じた。
「……ありがと」
梨華ちゃんは、あたしも保田さんに言われるまで気づかなかったんだけどねー?
と照れたように笑った。
84 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:26

あたしの不安や不満は、何も解決してない。
それを梨華ちゃんがわかっていたかどうかも、よくわからない。
でも。
このひとがいる限り、あたしは大丈夫だ。

根拠なんて何もないけど、
なんだか無性にそう思えた。
85 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:27

「新曲、聞いてたの」
じっと見つめるあたしの視線に耐えきれなくなったように、
梨華ちゃんはMDウォークマンを指差した。
「一緒に聞こ」
片方づつのイヤフォン。
並んで座って、どちらともなく歌い始める。
86 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:28


『どんな未来が訪れても
 それがかなり普通でも
 一歩一歩でしか
 進めない人生だから
 立ち止まりたくない

 Do it! Now
 いつもいつまでも何年経っても
 決心したこの愛が続くように
 Do it! あなたが持ってる 未来行きの切符
 夢は叶うよ 絶対叶うから
 行こう』
87 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:29

「…そういえば梨華ちゃんは、その星に願い事したの」
「んー、戻ってくるまで、消えないでくださいっ!て願ったかな。叶わなかったけど」
「もったいないなー。もっとなんか他のにすればよかったのに」
「だってふたりで見たかったんだから、いいでしょー?もー」
「…じゃあ今、二人で願い事しよっか」
「でも、見えないよ、星」
「見えないだけで、ちゃんとあるよ。すごーく願えば、雲の向こうにも届くよ、きっと」
「届くかな」
「届くよ」


相変わらず星は見えない。
でもあたしたちは頭上に広がる曇り空に向かって、願いをかけた。




おわり
88 『雲のむこう』 2002/07/08(月) 00:30

完了です。ベタベタです。
59さん、横はいりしちゃってスマソ
吉澤の本当のとこはわかんないけど、憶測に基づいて書いちゃいました。

吉澤、のんびり頑張れ。
89 67 2002/07/08(月) 00:31

完了です。ベタベタです。
59さん、横はいりしちゃってスマソ
吉澤の本当のとこはわかんないけど、憶測で書いちゃいました。

吉澤、のんびり頑張れ。
90 67 2002/07/08(月) 00:32
うわー二重…じゃないさん88削除してくりー
91 名無し七夕 2002/07/08(月) 00:39
仕事早ぁ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
憶測といいつつ、どことなくリアルっぽくてよろしゅうございました。
92 じゃi 2002/07/08(月) 00:52
んあー 名スレがとまらない グッジョブ

PC切っちゃったからモグモグは明日ね
そんなに気にしないでいいぽ
93 吉澤ヲタ 2002/07/08(月) 00:54
すばらしい。
これでちょっと気が楽になって寝られそうだす。
おやすみなさいぽ。
94 エト=59 2002/07/08(月) 00:58
Σъ(O^〜^)グッ!!
この小説読んでから、新曲が少し好きになりましたよ。
吉澤さん、ありのままが好きです…がんがれ。

67さん横入りもなにも
朝 ま で に で き る の か な ?
といったところ。
95 名無し七夕 2002/07/08(月) 01:00
もうどんどん名スレから神スレ化してるんじゃないかと思うわけですよ。
67さんありがとう( ● ´ ー ` ● )
96 名無し七夕 2002/07/08(月) 01:36
エト=59さんに間違われた作者です(w
土日は普段何もしないんですが、七夕おながいスレを見ているうちに書きたく
なって急遽仕上げました。
エト=59さん、作品楽しみにしてます。がんがってください。
そして、67さん、(0^〜^)b<グッジョブ!!
97 エト 2002/07/08(月) 10:06
途中で意識を失って、そのまま爆睡(w

そんなこんなで『青い短冊』です。
98 青い短冊 2002/07/08(月) 10:07
先日、仕送りをしてくれていた母が亡くなってしまったので、もともと余裕のなかった生活が、いよいよ維持出来なくなってきた。
そこで私は、今よりもっと安い下宿先を見つけなければならなくなった。

今どき有り得ないくらいの安い家賃。
…それに見合うほどのボロっぷりといったら凄まじいものだった。
いつ抜けてもおかしくない廊下。
剥がれかけている土壁。
幸いにも一階の部屋だったので雨漏りの心配はしなくてすみそうだ。

とりあえず荷物を仕舞うために押し入れのふすまを開けると、そこには…女の人がいた。
「…んー、なにかよう?…」
押し入れにドラえもんさながら寝転んでいる彼女が、気怠い声をだした。
「何かって…ここは私が契約して借りた部屋なんだけれど…」
驚いたように彼女は上半身を起こした。
「そんな!あたしはここに1年以上も前から住んでるんだよ!」
そう主張した彼女は、まるで泥棒でも見るかのような目つきで私をジロジロと眺めだした。
1年以上前から住んでる?冗談じゃないよ!
あぁ私…あの不動産屋に騙されて、いい加減な物件を押し付けられたんだきっと。
99 青い短冊 2002/07/08(月) 10:08
彼女の無遠慮な眼差しに少しイライラした私は、契約書を突き付けてやった。
「ほらっ。ちゃんと契約書もあるでしょ!」
それをひったくり、まじまじと読んでいた彼女が…突然咳き込んで血を吐いた。
ビックリしてリアクションの取れない私を無視して彼女は喋りだした。
「ああもう!」
手の甲で唇の端に付いた血を拭い、血が付かないように用心しながら契約書を私に返してくれた。
「しばらくの間、ひっそりと静かに療養していたもんだから大家の奴、あたしが夜逃げでもしたんだと思ってやがるな!」
悔しそうに、布団をギュっとつかんだ。
「寝てりゃ治ると思ったんだよ…治って水商売でもすれば学費だって、家賃だって簡単に払えるのに…」

そう言う彼女の顔は、確かに整っていた。
病気のせいで幾分か青くはあるが、透き通った白い肌。
丸くて大きな目は魅力的で、女の私でも思わず見とれてしまうほど。
バランスの取れた、私とは違ったタイプの顔をしていた。
100 青い短冊 2002/07/08(月) 10:09
とりあえずお互いに話をしてわかったことは、
彼女は私と同じ大学の2年で、両親を亡くして自活しているということ。
身の上は…まぁ似ていた。

そして、二人で出した結論としては、どちらがここに住む権利を有するかを争うよりも先に、まず彼女の病気を治すことに専念しようというものだった。

「でもなーあたし、他人と同じ空間にいるのなんて耐えられないよ」
病人は強気の発言をした。
「私も貧乏なんだから、今すぐに引っ越すためのお金なんて無いもん……そうだ、あなたのその押し入れに、私はお邪魔しないから、一人になりたい時はそこで一人の時間を楽しんでいてよ」
商談成立。示し合わせていたわけでもないけれど、タイミング良くガチッと握手を交わした。

「えっと、今度隣に住むことになりました吉澤ひとみ、商学部の2年です。呼び名は好きにして。どうぞよろしく」
そこでやっと、自己紹介がまだだったことに気が付いた。
「…石川梨華、文学部の3年です……あなたのことは、ひとみちゃんって呼ぶことにするね。こちらこそどうぞよろしく」
じゃ、あたしは梨華ちゃんって呼ぶよ…と無愛想に返事をして、再びふすまを閉じてしまった。
奇妙な押し入れの中の隣人、吉澤ひとみとの生活が始まった。
101 青い短冊 2002/07/08(月) 10:10
翌朝、ふすまを軽くノックしてみても返事がなかったので、
「朝食のベーグルなんだけど、置いておくから食べてね」
とふすまに向かって話しかけ、
「今日、知り合いのお医者に頼みこんで来てもらうことにします」という書き置きをして、私は大学に向かった。

午後、授業が終わってバイトに行く途中、頼んでおいたお医者さん…中澤さんと出会った。
中澤さんは何だか不機嫌だった。
「どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもあるかいな。いくら優秀なうちかてな、おらん患者は診れんで」
話を聞くと、どうやら逃げたらしい。
押し入れの中は空っぽで、どこにも誰もいなかったそうだ。
なんてこと!
隣人は医者嫌いのようだ。
でも、医者を避けているようでは回復は見込めない。
こうなれば、強制的に入院させるしかない。
それより他に手はないだろう。
102 青い短冊 2002/07/08(月) 10:12
翌朝、ふすまを軽くノックしてみても返事がなかったので、
「朝食のベーグルなんだけど、置いておくから食べてね」
とふすまに向かって話しかけ、
「今日、知り合いのお医者に頼みこんで来てもらうことにします」という書き置きをして、私は大学に向かった。

午後、授業が終わってバイトに行く途中、頼んでおいたお医者さん…中澤さんと出会った。
中澤さんは何だか不機嫌だった。
「どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもあるかいな。いくら優秀なうちかてな、おらん患者は診れんで」
話を聞くと、どうやら逃げたらしい。
押し入れの中は空っぽで、どこにも誰もいなかったそうだ。
なんてこと!
隣人は医者嫌いのようだ。
でも、医者を避けているようでは回復は見込めない。
こうなれば、強制的に入院させるしかない。
それより他に手はないだろう。
103 青い短冊 2002/07/08(月) 10:13
しかし…先立つもの、つまりお金が無い。
アパートの敷金を一括で払ってしまったので、手元には日々の生活費…食料費しかなかった。
そこで、あの病人の友達にカンパを求めることにした。

あれこれ考え事をしていたから、今日のバイトは失敗してばっかりだった。

夜、バイトから帰ってみると、隣人は昨日と同じように押し入れの上段に寝転んでいた。
皿の上のベーグルは、きれいさっぱり無くなっている。
ちゃんと食べてくれたみたいだ。
良かった。
少し安心した。
私はなぜか、この隣人の世話をしたくてたまらなくなる。
ほっておけない何かが、隣人にはあるのかもしれない。

カーテンの向こうには、曇った夜空が広がっていた。
104 青い短冊 2002/07/08(月) 10:14
「あぁ、あの変わり者で有名な人でしょ」
「そういえば最近見てないなー」
「あなたの言う吉澤って、商学部の吉澤?」
「気難しい人だよね」
「カンパねぇ」
「自然体すぎてちょっとつき合いにくい感じだったよ」
「何ごとにも妥協しないって感じで、オレらみたいな中途半端な学生が嫌いみたいだったぜ」
「へー病気なんだ」
「入院しなきゃいけないの?」
「あんまり同情できないなぁ」
「今そんな金ないよ」
「でも、身寄りのない人なんでしょ。可哀想よ」

ほとんどが我関せずといったところ。
冷たい態度。
嫌な感じのする同情。
…そんな反応ばかりが返ってきたが、カンパは3万円ほど集まった。
105 青い短冊 2002/07/08(月) 10:14
そのお金を持って中澤さんの病院へ行った。
これでとりあえず薬代ぐらいにはなりますか?と尋ねると、
「そりゃわからん。まず、本人を連れてこん限りはどうとも言えんな」
と言われてしまった。
「それに、ずいぶんと元気な病人やないか。逃げ出したりできるぐらいやし」
それもそうだけど…
「でも…昨夜もずっと咳き込んでて…時々血を吐くんですよ」
結局、どんなに一生懸命に説明をしてもそれ以上は取り合ってくれなかった。
釈然としない。
そんなに病気になることはいけないことなのか。
なんだかむしゃくしゃして、地面を踏みしめながら帰った。
一通り病院の悪口を言ってみたりもした。
けれど、気持ちは晴れなかった。
106 青い短冊 2002/07/08(月) 10:15
今日一日バイトを休んでしまったし…
試験が近いから勉強しないといけないし…
それに今日は明日までにやらないといけない課題があるし…
昼間のイライラが抜けなくて、何をやっても上手くいかない真夜中。

「っーーーー!!!」
急に押し入れから人のものとは思えない叫び声が響いてきた。
ふすまが今まで見たことないくらいのスピードで開き、転がるようにひとみちゃんが這い出てきた。
「助けて!」
「…ね、ねずみでもいたの?」
と問うと、
「違うよ…星空に引っ張られそうになった…」
と言った。
ひとみちゃんは、胸だけではなく頭まで病に侵されたのかと思っている私の心を見透かすように、言葉を付け加えた。
「あたしは正気だよ梨華ちゃん。夢なんかじゃない。…あまりにも綺麗な星空で…危うく向こうに行ってしまうところだった。」
正気だというが、その言葉の意味は私には理解できなかった。
額の汗を拭って、すこしうつむきながら彼女は続けた。
「お願いがあるんだけれど…手を握っていてほしい。今日は梨華ちゃん、ずっと起きて勉強するんでしょ?…お願いだから」
107 青い短冊 2002/07/08(月) 10:16
少しふるえる同居人の申し入れに、どう答えていいのかわからずに呆然としていると、彼女は押し入れからさっさと自分の布団を畳の上に敷いて、寝転んでしまった。
私はまだ何も答えてないのに…。
だけど、夢に脅えて手を握っていてほしいなんて、なんだかカワイイ。
おずおずと右手を出して、懇願の眼差しを向けるひとみちゃん。
反則だよ、その瞳は。
左手でそっと彼女の手をとる。
少し冷たくて大きな手の持ち主は、
「あたしが寝ちゃってからも、握っていて…」
と、またもやカワイイ言葉を呟いた。

「どんな夢を見たの?」
「もー、夢なんかじゃないって言ったでしょ」
「そうだった、ごめんね…じゃあ、どんな光景だったの?」

大きな河 向こう側にいる人々 迫ってくる星…

彼女は静かな寝息を立てて、今度こそ夢のなかへと落ちていった。
しばしの間、私は彼女の寝顔に見とれていた。
頬は、病気が治ったらもっと紅みがさして綺麗なんだろうな。
そっと頬を撫でてから、課題に目を向けた。
…もちろん左手を離さないままで…
108 青い短冊 2002/07/08(月) 10:17
翌日の夜になっても、病気の治療法は思いつかなかった。
今夜もまた、手を握っていてくれと同居人は言った。
今日は仕上げなければならない課題は無い。
仲良く布団を並べて寝転ぶ。
しっかりと指を絡めて手を握った…ひとみちゃんが怖い思いをしないように…

私よりも寝つきの良い彼女からは、すぐに寝息が聞こえてきた。
すこしウトウトしかけていた時、昨日と大方同じ時間に、また悲鳴をあげた。

悲鳴にもビックリしたのだが、もっとびっくりしたのはひとみちゃんの話の内容だった。
知らない婦人が出てきて、
「あなたはここにいてはいけない。お願いだから私と一緒に来て下さい」
と言ったそうだ。
そして、その婦人の風貌は、
薄紫色の着物で、手に桔梗の花を持ち、首にホクロがあり…
というものだった。

それは、まさしく棺の中の母の姿。
死装束よりも、好きな薄紫色の着物を着たいと事切れる前に母が言ったので、その通りにして棺に入れてあげた…
生前好きだった花を持たせてあげたくて、手に握らせた…
そして、母の首にはホクロがあった…
109 青い短冊 2002/07/08(月) 10:18
同居人が、母を見たという事実はとてもじゃないが受け入れられるものではなかった。
ただの偶然、ただの偶然、と自分に言い聞かせる。
ひとみちゃんが見た婦人が母に似ているにも関わらず、私はその人が怖かった。
いつかこの奇妙な共同生活を壊していきそうで、怖かった。

次の日の気分は最悪だった。

彼女の状態は悪化する一方だったので、栄養をつけるためにカンパのお金で鍋をすることにした。
このお金は彼女の病気を治すために集めたものなので、私は食べないつもり。
私がその意志を伝えると、ひとみちゃんは、
「梨華ちゃんが食べないなら、あたしも食べない」
の一点張りで、意地でも意見を変えなかったので、少し気がひけたけれど、私も一緒に食べることにした。

新鮮な食材をふんだんに使った海鮮鍋がちゃぶ台の上に乗る。
ここで私は今まで一緒に住みながら、こうして二人で過ごす時間がとても少なかったことに気が付いた。
「こうやって、誰かと食べる御飯っておいしいね」
少し照れくさそうに彼女が言った。
「…うん」
そんな表情で言われたら、こっちまで照れる。

半分ほど食べ終わったところで突然彼女が
「お酒が飲みたい…」
と言い出した。
少しくらいなら、身体が温まっていいかもしれないと思い、病人を夜に外へ連れ出す訳にはいかないので、私は一人で近所の遅くまで開いている酒屋さんへと出かけた。
110 青い短冊 2002/07/08(月) 10:19
「こんばんは〜」
「いらっしゃい!」
店の奥から、胸に『保田酒店』とプリントされた前掛けをした店主が出てきた。
「鍋に合うお酒ってありますか?」
「こんな暑い日に鍋するなんて、あんた変わってるね〜」
気さくに話しかけてくる感じが妙に嬉しかった。
「家に病人がいるもので…栄養つけさせようと思いまして」
棚の上段に置いてある日本酒を手に取って、店主が話を続けた。
「そう…これなんかいいよ。特別に安くするし、その病人さんに飲ませてやりな」
あまりお酒のことはわからなかったので、店主の意見に従うことにした。
「え〜っとね、今ならおまけに七夕の笹がついてくるんだけど…いる?」
店先に1mほどの小さな笹の束が置いてある。
「…ぜひ、いただきます」
ひとみちゃんと一緒に短冊を書く様子を想像するだけで楽しくなった。

家に帰ると、座って待っていた同居人が嬉しそうに笑った。
「どうしたの、その笹?」
初めてみる笑顔。
それは、今夜の星空よりも輝いてみえた。

私はひとみちゃんが眠ってから、一日早いお願い事をピンクの短冊に書いた。
『早くひとみちゃんの病気がよくなりますように』

そんな楽しい日の晩にも、彼女は定時に発作をおこした
111 青い短冊 2002/07/08(月) 10:20
「石川さん、賃貸契約では一人で住むことになっているんですけど、誰かと一緒に越してきたの? 毎晩話し声が聞こえてきますよ」
翌日、大学へ行く途中、大家さんに呼び止められた。
「同時に住み始めたわけじゃなくて、もとからいたんです…」
もともとは相手側のミスが原因。
二人ともすぐに追い出されるなんてことはないだろう、と考えていたら、
「…誰がいたんですか?」
と大家さんが聞いてきた。
「吉澤さんです。彼女は病気で部屋から出られないんですよ」
なんだか腹が立った。
「あぁなるほど」
大家さんは同情するような目で私を見た。
「その分、安くしたんですよ。気味が悪いだろうから」
言うことだけ言うと、大家さんは母屋へ帰ってしまった。
どんどん腹が立ってきた。
一つの部屋を間違えて二人の人間に貸すだけでなく、病人である彼女のことを気味が悪い呼ばわりするなんて。
あまりにも腹が立ったので、1限の授業をサボって同居人と話をして、気を落ち着かせることにした。
112 青い短冊 2002/07/08(月) 10:20
「ちょっと聞いてよ!」
まだ寝ている同居人を起こす。
「…ん、まだ眠いよ…病人なんだから、もっといたわってよ」
そういうひとみちゃんの顔色は、いつもより健康そうに見えた。
「…今日は、調子どう?」
熱はもとよりないのだが、なんとなくおでこに手をあてた。
「すっごい調子がいいよ。」
ひとみちゃんの笑顔は健康そのものだった。
私ってきっと単純。
それだけで、今までの怒りが嘘のように消えていった。
「そっか。昨日ね、一日早かったんだけど短冊にお願い事を書いたのよ」
『早くひとみちゃんの病気がよくなりますように』と書かれた短冊が風に揺れている。
「…きっとそのおかげだよ、ほんとうにありがとう」
「…お礼は全快してからにして。それより、ひとみちゃんもお願い事書いてよ」
青色の短冊を渡す。
「後で…今日中には書くよ。それよりも、調子がいいから大学に行こうよ」
不意に吹いた風で、さわさわと笹が鳴いた。
113 青い短冊 2002/07/08(月) 10:21
二人でゆっくりと歩いて大学へ。
元気なひとみちゃんは軽やかに歩く。
こんなに長い時間ひとみちゃんが動いているところを見るのは初めて。
今夜は七夕。
晴れたらいいなぁと思いながら、指先だけで軽く手をつないで歩いた。

そして私たちは学生課に寄った。
同居人が滞納している授業料の相談をするためだ。
114 青い短冊 2002/07/08(月) 10:22
しかし、ここでおかしなことが起きた。
いくらひとみちゃんが話しかけても、受付の職員はまるで無視。
それほどいそがしそうな様子でもないのに。
まるで、見えていないかのように振る舞うのだ。
ひとみちゃんはそれでもなお、話しかけ続けている。
「どうして彼女の話を聞いてあげないんですか!」
この頃どうしてこんなに腹が立つことが続くのだろう。
「どうされましたか?」
そこでやっと職員が応対した。
「どうして、彼女が授業料納付の話をしているのに聞かないんですか」
「彼女、とはどなたのことですか?」
キョロキョロと目だけを動かして辺りを見回す職員。
イライラする。
「商学部2年の吉澤ひとみさんです!」
カタカタとCPに向かって作業をしだす職員。
少しして、何ともいえない表情をしてその人は言った。
「死亡された生徒から、授業料を徴収する制度はありません」
115 青い短冊 2002/07/08(月) 10:23

私よりもずっと、恐怖の色を顔に浮かべた同居人の元気は失われてしまった。
116 青い短冊 2002/07/08(月) 10:24
再び発作を起こしたひとみちゃんを部屋に寝かせ、急いで大家さんのいる母屋を訪ねた。
できるだけ単刀直入に。
事実を確認しなきゃいけない。
「…よ、吉澤さんは亡くなったん…ですよね…」
できれば聞きたくない。
嘘だと言って。
「…そうよ」

何かそれを証明するものの存在を確かめないと…
「あ、あの…吉澤さんのお墓が…どこにあるか知ってますか?」
「そりゃもちろん知ってますよ…身寄りがないという話だったから、私がお寺に頼んで葬っていただいたのよ」
117 青い短冊 2002/07/08(月) 10:24
聞けば聞くほど悲しくなるのに、質問を止められなかった。
「いつ、どうやって…亡くなったんですか…」
「確か、去年の今頃…あぁそうよ、七夕の日にね、滞納していた家賃を貰いに行ったら…押し入れで冷たくなっていたのよ」
あぁ、それで気味が悪いと言ったんだ。
大家さんは、ひとみちゃんが…もう死んでいることを知っていたから。
でも、どうしても信じられない。
信じたくない。
118 青い短冊 2002/07/08(月) 10:25
大家さんに、私たちの部屋に入ってもらった。
「でも、中に病人がいるでしょ?」
と、おそるおそる聞いてみた。最後の頼み。
「何もいないわよ…」
「っそんなはずは!」
大家さんを押し退けて、部屋に入る。
そこには本当に誰もいなかった。
敷きっぱなしにしてあった同居人のふとんもなかった。
押し入れにもどこにも。
半ば放心状態だった私を残し、大家さんは帰ってしまった。
私がそのことに気がついたのは、しばらく時間が経ってからだった。
119 青い短冊 2002/07/08(月) 10:26
そのまま、夜が来た。
涙は不思議と流れなかった。
何もする気が起きなくて、ただ空を眺めていた。
母が死に、孤独の身になってすぐに同居人と出会った。
毎日がいそがしくて、哀しみに捕われている暇などなかった。
考えてみれば、そのおかげで随分救われたのかもしれない

今日の夜空は、雲はあるけど、星が全く見えないわけではなかった。
今夜、何人の願いがかなうのだろう。
ピンクの短冊の裏にもう一つお願い事を書いた。
『もう一度合いたい…』
笹が風もないのにざわざわとゆれた。
120 青い短冊 2002/07/08(月) 10:27
いつもあの同居人が発作を起こす時間、辺りが真っ暗になった。
「あぶなかった。今回は本気で連れていかれそうになったよ」
姿は見えないが…確かに声がした。
「っ!ひとみちゃん、そこにいるの…?」
「うん、でも梨華ちゃんの姿…見えないよ」
「私にも見えない…」

しばしの沈黙が訪れた。
「梨華ちゃん、あたしって死んでたんだね」
「………」
「どうして…毎日おかしな…体験をするのか…やっとわかった」
「………」
「みんな、星の河の向こう側が本来のあたしの世界なんだって教えてくれてたんだね」
「………」
「一年…近…く…かかっ…ちゃった」
「………」
「……で…ね…華…ゃん………は………」
121 青い短冊 2002/07/08(月) 10:28
どんどんひとみちゃんの声が聞こえなくなっていく。
もっと声を聞いていたい。
私はさっきから必死になって叫んでいるに、その声は自分の耳にすら届かなかった。
もっと声を聞いてほしい。

息が…苦し…い
胸が締めつけられる
胸が締めつけられる
首がしまる

河の向こうで母が笑った気がした
122 青い短冊 2002/07/08(月) 10:29
意識が戻ると、朝だった。
やっぱりどこにも同居人はいない。
ふとんもない。
まくらもない。
123 青い短冊 2002/07/08(月) 10:29
風があるのにゆれていない笹の枝に、青い短冊がくくりつけてあった。
『つれていこうかとも思ったけれど、やめました。
 梨華ちゃんのおかげで、もうすっかり元気です。
 いろいろとありがとう。
 では、またいつか会いましょう        』
124 青い短冊 2002/07/08(月) 10:30
やっぱり押し入れにも同居人はいない。
ふとんもない。
まくらもない。

笹から外した青い短冊を、鞄に大事にしまった。
125 青い短冊 2002/07/08(月) 10:31
押し入れの中からは、カチカチにひからびたベーグルが出てきた。
あの日の鍋は、一人分しか減っていなかった。
お酒も、私が飲める分しか減っていなかった。

あの同居人は、母を失った悲しさを埋めるための幻だったのだろうか…
今となってはもう、だれにもわからないことだった。
126 青い短冊 2002/07/08(月) 10:32
大学へ行くために急いで部屋を飛び出したら、向かいの部屋に住んでいる人にぶつかってしまった。
その拍子にひらひらと地面に落ちてしまった青い短冊に気がついたその人が、
「まだなにも書いてない紙を捨てちゃもったいないですよ」
と言って、親切にも渡してくれた。

今度は落とさないようにしっかりとポケットにしまった。
127 青い短冊 2002/07/08(月) 10:33


青い短冊の裏には『梨華ちゃんが幸せでありますように』
と、私にしか見えない字で書いてあった。
128 エト 2002/07/08(月) 10:41
書き込み終わってから気がついたこと
1:101と102がダブっている
2:もっと下がってから書き込めば良かった
3:全体的に…

この「青い短冊」には、元ネタがあるのですが、
ものすごいうろ覚えで書いたので、元ネタとはかけ離れているっぽいです。

元ネタファンの人ごめんなさい
129 名無し七夕 2002/07/08(月) 11:53
>128
乙です。
会社で泣いちゃったよぉ。。。
130 名無し七夕 2002/07/08(月) 13:34
お疲れさまっす。
読んでてすごーく切なくなりました。
こんな気持ちはヒサブリ。
131 67 2002/07/08(月) 23:13
>128
乙です。切ないねぇ…

もう一本できた。微妙に続き。蛇足感萬斎ワショーイ
132 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:23

「もしもし?」
『もしもし、石川ちゃん?』
「あー、お久しぶりですー!」
『久しぶりー、元気だった?』
「イシカワはいつでも元気ですよっ」
『あは、そうだよね』
「…あ、アルバム買いましたよ」
『お、ありがとー。気に入ったのとかあった?』
「えっ?…うーん、難しい質問だなあ…全部好き、じゃダメですか」
『そこを一曲』
「……。あの、やっぱり『traveling』、あれ一番好きです」
『あー、あれは石川ちゃんのこと考えながら作ったからね』
「えぇ?!」
『なんちゃって』

「…もー、からかわないでくださいよー」
『あはは、あっ、ていうか写真集!買ったよー見たよーちょっとあーた水着じゃないの!
 おねーさんビックリしちゃったわよ』
「…ありがとうございます…。なんか恥ずかしいなあ…」
『ん?やっぱ水着、あんまりなりたくなかった?』
「や、そういうわけじゃないんですけど、他のメンバーもやってるし
 いつかはやらなきゃいけないのかなとは思ってたんで、
 その辺の覚悟は大丈夫でした、はい」

『…まあまあまあ、水着なんてなくても充分セクスィベイベェでしたけどね。
特にあのほら、赤いドレスのとか半分下着みたいなやつとか』
「…ううう、余計恥ずかし…」
『セクシーといえば』
「いえば?」
『しあわせ?♪』
「まっ、真似しないでくださいっ」
133 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:24

「あと、もうすぐ新曲も出るんです」
『見た見た、見た。キスがしたい♪ てやつっしょ?』
「また真似するー」
『いやー、でもあれ見たファンは絶対「くうぅう〜っ」ってなってるね』
「なんですかそれー」
『んん、なんちゅーか「くうぅう〜っ」って感じなんだよ』
「あはは、『くうぅう〜』?」
『そうそう』
134 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:25

『じゃあ、明日も仕事だよね。ごめんね、急に電話して』
「いえそんな、嬉しかったです、電話」
『んー、じゃあまた…』
「あっ、あの!」
『ん?』
「……あの、どうですか、具合は」
『…ありがと。もう、結構いいよ。外にも出るようにしてるし』
「そうですか。よかった…」
『うん。昨日七夕スレにおながいしたし、あんま心配しなくても大丈夫』
「七夕スレ?おながい?」
『あっ、なんでも、なんでもない。石川ちゃんは、昨日なんかお願いしたの?』
「はい、仕事の空き時間に、屋上で」
『あんな曇ってたのに?』
「でもひと、あの、よっすぃー、メンバーの吉澤ひとみちゃんが一緒にいたんですけど、
 星は見えないだけで、ちゃんとあるって。
 ちゃんと願えば雲の向こうにも届くって、そう言ってくれたから」
135 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:26

『…そっか。そうだね。届くね』
「届きます」
『うん。…その、よっすぃー、は最近どうなの、元気なの』
「……えぇ、大丈夫、元気ですよ。…大丈夫です」
『…ま、隣に石川ちゃんがいたらあたしだったらイヤでも元気でるけどね』
「えー?またまた…(ただいまー)、あっ」
『あは、じゃあそろそろ切るね』
「あの」
『え?』
「…あの、わたし、宇多田さんが、はやく良くなりますようにってお願いしました」
『………』
「あ、余計なお世話でした、か?」
『…ううん、ありがとう。…ありがと、ね』
「いえ」
『では。今度こそこれで』
「はい、ほんと電話ありがとうございました」
『今度は石川ちゃんから掛けてくれると嬉しいなー』
「そうします」
『ばいばーい』
136 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:27

通話を切って振り向くと、吉澤がなんだか変な顔でアイスを食べていた。
「おかえり。早かったね?」
石川が笑いかけると、ぷい、と視線をそらす。
「?」
わたし何かしたっけ?という疑問が浮かぶのと、
吉澤が食べているアイスの種類が認識できたのは、ほとんど同時だった。
「あー!それわたしが頼んだハーゲンダッツじゃない!ひどーい、楽しみにしてたのに」
「ふん」

吉澤は横目で石川を一瞥すると、もぐもぐとすごい勢いでアイスを食べ尽くした。
歯にしみるのか、ううう、とうめいて頬を押さえる。
石川は怒るというより、むしろ呆れてしまった。
「なんなの?…なによ…」
コンビニに出かけるまでは、いつもの吉澤だった。
帰りを待っている間に電話がかかってきて、その途中で帰ってきた。
(…電話の内容?)
「あ」
(そうか)
137 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:28

こちらに背を向けて座っている吉澤にそっと近づき、後ろからがばっと頭を抱え込む。
「んもー、ひとみちゃんのことは真っ先にお願いしたんだから、そんなに怒んないのー」
「うわ!っつーか、ハァ?何言っちゃってんの?わけわかんねー」
「照れない照れない」
腕の中でじたばたもがく吉澤を押さえつけて、あごをぐりぐり頭頂に押しつける。
「いて、いてて痛いっつーの、このアゴー!」
「だーめ。食べちゃったおしおきー」
普段からかわれ慣れていない吉澤をいじくるチャンス、とばかりに、
石川は口の両端に指を入れて引っ張った。
「あーおー、ほへんっへあー!(あーもー、ごめんってばー!)」
「『学級文庫』って言ったら許してあげる」
「ひー」
138 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:28

昨日、雲のむこうに広がっているはずの星空に向かって、
わたしたちはたくさんの願いをかけた。
ささやかな願い、大きな努力が必要な願い、ひとりの努力だけではどうしようもない願い。
多すぎる、と笑われるだろうか。
すべてを叶えてと願うのは傲慢だろうか。

でも、わたしたちは願うことをやめない。
希望と言いかえてもいい。
願いは叶う。
そう信じることが、大きなちから。
139 『七月八日』 2002/07/08(月) 23:29

おわりですウヘー


ヒッキー、まったりがんがれ(≧▽≦)ノ
(´-`).。oO (うた→石の呼び方は「石川ちゃん」でよかったんだっけ…まあいいや)
140 名無し七夕 2002/07/09(火) 00:34
がっきゅううん…(w
石川さんのアゴ攻撃…わすれませーん。

なにげに小ネタが満載で面白かったです。
そして、私からも…宇多田さんが元気になりますように
141 吉澤ヲタ 2002/07/10(水) 22:47
いいかんじだぞうー。
142 名無しチャーミー 2002/07/27(土) 01:11
おいらのおながいが適いますた。
BK2に梨華ちゃんがでるんだって!
うれすぃ〜です。